カジイチゴ

最近まで、この低木がキイチゴ/ノイチゴの仲間だとは思っていなかった。

時たま、畑の端っこの方に植っていて、太い赤紫色の茎が蔦を伸ばすように生えて、皮質で大きな葉を持つこの植物は何であろうとの疑問を持ち続けていた。

しかし、最近、その植物に、オレンジ黄色の実がなっているのを見て、野苺の仲間かと納得した。

それにしても、大きな葉と太目の茎と、その辺に色々と生えているキイチゴの仲間達とは一線を画す。

さて、今回、投稿してみようと思ったきっかけは、そのカジイチゴの実の味がきっかけであった。その日、その場でその写真の個体の実を頬張ってみたのだが、想像より渋さも酸味もなく、甘いのである。甘いだけの味に付き物のねっとり感や得体の知れない苦味感のようなものも無い。最高に美味しいジャムが作れそうな味である。

我家の庭に一本植えたくなったのは言うまでもない。

このカジイチゴ……近隣で野に溢出しているのは見たことがなく、明らかに人為的に植えられたものばかりが目に付くが、今では、ホームセンターの園芸売り場でも見かけることはない。

昔の人が、この甘い野イチゴを畑の片隅に植えた背景や時代が知りたくなる少し昔の農村を偲ばせてくれる低木である。

モンチビツトガ 成虫

先週の土曜日に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

多分、種名はこれだろうという目星が付いたので投稿してみる。

嘴の感じからツトガ科の蛾だろうと予測は付いたが、同じような姿形のツトガ科ノメイガ亜科の仲間達と比べると、サイズが半分近く小さい。ツトガ科ツトガ亜科の蛾達よりは、若干小さいぐらいだが、今度は止まった時の横幅がある。

大きさ的には、前翅長8ミリぐらいだったと思う。正直、小さいなと思った。

そして、この大きさでこの雰囲気の蛾がツトガ科のツトガ亜科に、チビツトガとモンチビツトガという2種居るのは、何となく知識が付いていたのだが、上の写真の個体は、モンチビツトガの方かなと思う。根拠は、内横線が、前縁に向かって、グイッと曲がり上がっているところであろうか。

チビツトガ、モンチビツトガ共に、幼虫の食草は知られていないとの事である。我家の外灯下でも、初めて見た蛾でもある。

ヒメツバメアオシャク 成虫

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

形状からシャクガの仲間である事は直ぐに分かり、色合いからシャクガ科の中でもアオシャク亜科に属している蛾であろうとも想像が付いた。

おまけに、今回は、後翅の端が少し長く飛び出している特徴が目に付く。この特徴を持つ蛾達は、蛾の世界では概して、ツバメが種名に入って来る。

こうした特徴を基に調べ始めると、ヒメツバメアオシャクという種だろうなと結論に至った。

ヒメツバメアオシャクという名だが、決して小さい印象はなく、上の写真の個体は、開張で35ミリ以上余裕である感じである。

同じ日に、もう1匹ヒメツバメアオシャクと思しき蛾が我家の外灯下に居たので写真に撮ったが、こちらは上の個体より、ひとまわり小さく開帳で3センチちょっとぐらいだった。

最初は、大きい方が雌で、明らかに櫛髭状の触角を持った下の写真の個体が雄かと思ったが、よく見ると上の写真の個体の触覚も櫛髭状なので、サイズは違えど、両方とも雄だと思う。現時点では、同種と考えている。

類似種に、ヒロツバメアオシャクとツバメアオシャクという種がヒットしてきたが、今回の上の写真の個体達は、ヒメツバメアオシャクとして紹介されている画像と同じ特徴を持っていると感じる。

このヒメツバメアオシャクの幼虫の食草として知られているのは、ブナ科のクリやコナラらしいが、それなら近隣近所に沢山ある。我家の敷地にも、クリは植っているし……。