最近、近隣の田園地帯を散歩中に、畔に生える雑草の中に、初見の白い小花を段々に咲かせる植物の存在に気が付いた。取り敢えず、写真に撮った。
直ぐに、スマホを使い調べたところ、ハッカの仲間だと分かった。
となれば、もう一度、その場に行き、葉茎の匂いを確かめてみようと思った。
そして、ちぎった葉の匂いを嗅ぐと、あれッ……想像していたより格段に良い匂い!
想像よりと先入観が入っているのは、ミントやセージの類は、ホームセンターの園芸コーナーで時々購入して庭に植えてきたが、そうした園芸ハーブよりも、格段に鈍い邪魔な匂いが混じらずに、爽やかな匂いが一瞬で体内や脳内に行き渡るタイプであった。最高級な爽やかな匂いである。
同時に欲しいと思ってしまった。色々な利用法があるなとも感じた。
そして、その場所にあったハッカの名残は、いつ頃から自生を繰り返しているのだろうと思いを巡らせ始めた。
ハッカ自体は、江戸時代からは新潟県で栽培され始め、明治に入ると現在の北海道北見市辺りで、大々的に栽培され初めている。太平洋戦後には、アメリカのメンソレータム等に使うメントールという成分の7割ぐらいは、日本からの輸入であったらしい。
しかし、1980年代の半ば辺りから、化学的にメントールという成分を合成出来る様になり、自然のハッカの栽培というものは終焉を迎えたとの事である。なんだなんだ……私達がガムや歯磨き粉で現在嗅いでいるメントールの匂いは自然由来ではなかったのか。
さて、自然のハッカ………自然由来のメントールが、殆ど無くなった時代、本物の魅力を教えてくれる貴重な植物の気がする。冷涼な気候を好んでいそうな気がするが、近隣の町おこしや村おこしに、十分使えそうな植物の気がする。
経済性や利便性にばかりに目が向き、自然の良さに気が付けない鈍感な人達が、増えている気がする。人
人類の進歩と共に失ってきた能力もあるに違いない。