アヤホソコヤガ 成虫 Araeopteron amoenum (Inoue, 1958)

先ほど、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、バッチリ記憶している。前翅長5ミリ。

このような横幅がある止まり方をする蛾としては、とにかく小さい。

種名は、アヤホソコヤガだと思う。

ここで、過去にアヤホソコヤガの投稿をしていた記憶が微かにあったので、確認してみると、確かに、昨年の5月6日にしていた。しかし、その投稿の個体と、今回の上の写真の個体とが、どうも同一種には見えないように感じた。そして、もう一度調べ直すと、過去のアヤホソコヤガの投稿の蛾は、シロホソコヤガという種であろうとの結論に至った。多分間違っていないと思う。近々、過去のアヤホソコヤガの投稿を修正しておこうと思う。

幼虫の食草は、突き止められていないようである。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州近海を経て、沖縄本島辺りまでとのことである。海外の生息分布は、ちょっと分からなかった。

ウデワユミアシサシガメ Polytoxus armillatus (Ishikawa, 1998)

先ほど、我家の外灯下に来ていたサシガメの一種である。

大きさは、体長8ミリぐらい。

一目見て、初めて見るサシガメだと分かり、心の中で小躍りしながら写真に撮った。

調べてみたところ、ウデワユミアシサシガメという種と判明。

確かに、各脚の腿節の脛節側に黒い輪っかが見て取れるのと、上の写真が分かりやすいが、前脚の脛節が弓のように湾曲している。この辺が、種名の由来なのは明白である。

習性としては、湿地のイネ科やカヤツリグサ科の植物の根際にいて、ヨコバイ類を捕食しているとの紹介を読んだ。確かに、本日は、大小各種ヨコバイの仲間が、我家の外灯下には結構訪れている。何かが増えれば、それを捕食する生物が現れる。これこそ、ありのままの生態系なのだが、そんな生態系を自分勝手に壊しまくるのが、人間である。

学名の登録年が、1988年と新しい事からも、そんなにネット上に情報が出回っていないサシガメを見つけることが出来たのが、素直に嬉しい。

国内での生息分布は未知だが、本州には北から南まで分布しているようである。都道府県が独自に定めるレッドデータでは、島根県と神奈川県が調査中(情報不足)として、注視しているとのことである。海外の生息分布は、まだ未知なる部分が多いが、韓国には生息している模様。

キハラゴマダラヒトリ? 成虫 3化目? Spilosoma lubricipedum sangaicum (Walker, [1865])

最近、近隣で見かけて、写真に撮っていた。

大きさは、全翅長2センチちょっとといったところであろうか。

先ず、この蛾を見た時に、「キハラゴマダラヒトリの3化目に出会えたのか?」という感覚が一番最初に来た。

それならば、確実に写真を撮り、捕まえて、腹部の色や脚の色を確かめてみようと思った。そして実行に移したのだが、予定外に逃げ去った。本来、この白ベースのこのサイズのヒトリガの仲間達は、擬死する習性があり、大人しく死んだふりをしてくれるケースが殆どであり、余裕を持って腹部の観察が出来るのだが、今回は、死んだふりはしてくれない個体だったみたいである。

かろうじて、指で摘み損ねている時に、見える腹部は、黄土色に見えた。山吹色の鮮やかさは感じられなかった。ただ、一瞬でも赤っぽい雰囲気は感じられず、やはりキハラゴマダラヒトリなのかなと思った。

では、今年3羽化目と考えられるキハラゴマダラヒトリが、1化目、2化目と異なる特徴はないかと、写真を眺めていると、幾つかの気付きがあった。

一つは、キハラゴマダラヒトリにしては、バランス的に前翅長が長い気がした。

一つは、触角が黒いキハラゴマダラヒトリが多いが、本種は、白っぽい。もちろん、最初は黒で、時間の経過で、むらなく色が落ちるということも、無いとは言えないであろう。(この疑問点に関しては、来年、キハラゴマダラヒトリを見つけたら、黒い触角を筆かなにかで優しく擦ってみて、どれぐらいの擦りで色が落ちるのか、実験してみたく思っている……来年、実験台になってくれる個体には、大変恐縮だが……。)

あとひとつは、細かい事だが、触角の芯の両側が櫛状に見える。1化、2化の個体達は、片側だけ櫛状に見える個体か、よく見ると、先端の方半分が両櫛歯(鋸歯?)に見える個体が殆どだと思う。上の写真の個体は、比較的ハッキリと両櫛状が見て取れて、先端というよりは根本の方に、櫛歯が見えるという、1化、2化とは違う特徴が見て取れる。

うーん……一筋縄では行かないぞ、キハラゴマダラヒトリといった感じである。

ここで、気になったのは……春先に沢山見れたキハラゴマダラヒトリ(1化目)に始まり、数はぐんと少なくなったが、一化目から1ヶ月半後ぐらいの2化目の個体群の少し長い期間の遭遇……そして、運良く目に出来た今回の3化目と思われるキハラゴマダラヒトリの発見。この、3化目のキハラゴマダラヒトリ群が、産んだ卵から孵ったものが、あの一化目の沢山目に出来るキハラゴマダラヒトリ1化目になるのであろうかという事である。

1化目、2化目3化目となる度に、目撃出来る数が減る理由も知りたいが、キハラゴマダラヒトリのライフサイクルは、全ての個体が、1化→2化→3化と規則性を持っているのであろうかという疑惑が少し頭を過っている自分がいる。この疑惑は、さておき、蛾達が、一化目に続く羽化で、紋様や色合いが変わる遺伝の仕組みが、どうして?と思ってしまい、不思議でたまらないと感じている自分がいる。

そして、もし1化目、2化目、3化目と順序を追う度に目撃数が減らないとしたら、春先には、キハラゴマダラヒトリの大量発生となると思えるが……他には、3化目の個体群の孵化後の生存率が高い可能性があるのであろうか?……なんとか、自分なりに突き止めたいものである。

うーん……見てて飽きないキハラゴマダラヒトリ達。来年も宜しくお願いします!