アレチウリ

9月の半ばに、子供2人と、近所の里山の中を流れる小川沿いを散歩したことがあった。その時に、何枚かの植物の写真を撮っていたが、そのうちの一枚を紹介しようと思う。

この写真の上部に少し写っている水面は、小さな小川の水面であるが、このツタ植物は、特定外来生物のアレチウリだと思われる。

このアレチウリを意識的に広範囲に渡って探した事は無いが、近隣の小川沿いの土手には、結構生えている気がする。

ちなみに、この雌雄同株のアレチウリの雌花と雄花を写していると思われる写真を以下にアップしてみる。

さて、このアレチウリの特定外来生物としての一面を記す事にする。元々の生息地は、アメリカ合衆国やカナダで、真偽は分からないが、輸入大豆の種子に混じって、日本にやって来たと言われている。輸入大豆を扱った豆腐関係の職場から自然界へと広がっていったとの話もある。既に、1952年には、静岡県清水港で、確認されている。

日本生態学会の決めた侵略的外来種ワースト100にも選出されている。環境省の定める特定外来生物にも指定されているはずである。同じく環境省の生態系被害防止対策外来種リストの中では、一番ランクが上の緊急対策外来種である。

長野県は、このアレチウリの撲滅に向けて、県を上げて取り組んでいたりするが、我が県は、どうなんであろう?と言っても、県が何か決めても、実際に動くのは市町村自治体である。

また、植物防疫法の対象生物にも指定されている。植物防疫法というのは、簡単に言うと、在来の農作物への悪影響が出そうな生物を防除しようという法律だが、地元のブランド作物を開発・宣伝する労力の一部を、こうした特定外来生物の動向にも意識を持つ方に、少しは向けられないものだろうか……

ただ、現実のところ、各市町村の環境関連の課に属する職員達の殆どは、アレチウリの名前も見分け方も分からない人達であろう………そうでなければ、環境省の特定外来生物に対する姿勢に、自発主体的に呼応する動きが、もっと出て来ているはずな気がする。

オニドコロ

今から、20日ほど前に、下の子を連れて、家から数分の家の周りを散歩した事があった。

その時に、数種の植物の写真を撮っていたが、以下の一枚もその時に撮っていた一枚である。

一見、ヤマノイモと思いそうだが、正確にはオニドコロというヤモノイモ科のツタ植物である。

この写真から、ヤモノイモでは無く、オニドコロを導き出した理由は、ヒレ(翼)のついた実の雌花の花穂への付き方である。この写真から分かるように、実のお尻の方が上を向く様にツタ(雌花穂)から伸びて実が付くのは、オニドゴロの特徴の様である。一方のヤマノイモの実は、雌花穂からぶら下がるように、お尻が下になるように付くみたいである。ちなみに、上の写真の中央少し左寄りに写ってる小さな薄黄色の花が、このオニドコロの雄花と思われる。オニドコロもヤマノイモも雌雄異株との事である。

他にも、オニドコロの方には、ムカゴが出来なかったり、根茎を食べても、アルカロイドを多く含み苦く、ヤマノイモのようには美味しくないようである。葉の形も、ヤマノイモの方が、なんか小さめで細めの気がするんだが、万人の客観的な印象はどうなのであろう。

ただ、秋も深まった時に、ヤマノイモと同じように、このオニドコロの葉も鮮やかに黄葉するようだと、美味しい根茎を求めて、掘ってしまいそうな気がする。

これからは、オニドコロとヤモノイモの違いを意識して、この手の植物を見てみようと思う。