メスグロヒョウモン 幼虫 成虫

最近、タチツボスミレにハマっていて、昼時に時間があると、タチツボスミレを観察している事がある。

そして、林内のタチツボスミレの一つに、こんなオマケが付いていた。

タチツボスミレの葉に付いている時は、真っ直ぐに伸びていたが、地面の上に置いたら、丸まってしまった。直ぐに、タテハチョウの幼虫の一種か、テントウムシの幼虫だろうと思ったが、印象に残ったのは、長い触角であった。

この触角が長いという特徴を持ったタテハチョウの幼虫は、他にはミドリヒョウモンの幼虫が当てはまったが、この写真のものは、メスグロヒョウモンの幼虫のようである。

さて、メスグロヒョウモンの名前の由来は、成虫の蝶になった時の色合いが、雌と雄で全然違い、オスは所謂オレンジ系なのに、メスは黒青系であり、その雌の黒っぽい印象から来ているとのことである。

さっとネットで調べたら、四国や九州の幾つかの都道府県で、レッドリストに入れられているみたいである。

同じスミレ科の植物に寄生するツマグロヒョウモンなんかの幼虫は、よく日たなを移動している姿を見る事ができるのと比べると、このメスグロヒョウモンの幼虫に出会える確率はググッと低いのではと思う。

すぐさま、辺りのタチツボスミレを調べるが、短時間では、この1匹しか目に入らなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー2020年6月7日追記

昨日、家から車で10分ぐらいのエリアを始めて散策していると、手入れされた畑の横に桑の巨木(?)が連なっている場所を見つけた。

ヒタチマイマイ他、幾つかのカタツムリの住処になっていたが、その桑の巨木の根元の藪に、大きな蝶が絡まるように止まっているのが目に留まった。

なんとか翅の表側も見たいと思っていたら、その期待に応えてくれた。

そして繋がった。メスグロヒョウモンという蝶であろうと。

黒い翅面を持っているのは、メスグロヒョウモンの名前からも分かるようにメス♀であり、雄の方は、オレンジの翅をしている。

成虫にであってみて、大きい蝶だなという印象が残った。

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2020年6月25日追記

数日前に、あのメスグロヒョウモンの幼虫と思しき幼虫を見つけた雑木林の林縁で、ヒメジオンの花から吸蜜しているとても大きい蝶を発見。

メスグロヒョウモンの雄なのではと思う。

ニオイタチツボスミレ

最近、近隣の雑木林や里山の反日陰になるような山肌では、タチツボスミレが咲き誇っているのだが、ほとんどの人達は、そんな事を注目もしていないと思う。

そんなタチツボスミレの中に、時たま、花や葉の色合いが違ったり、株の形が違ったりと、一風変わったスミレ(タチツボスミレ)が混じっている事がある。

以下の写真のスミレも、そんなひとつであった。

比較用に以下に、私がよく見かけるタチツボスミレの写真をアップしてみる。

パッと見てわかるように、タチツボスミレの一般的なイメージは、花色が薄い。葉っぱの葉緑素も薄い。そして、葉の先が少し尖り気味。

逆に上の写真の個体は、花色は濃く、葉の色も濃く、葉の先もタチツボスミレほど尖ってないように見える。

こうした事実を照合すると、ニオイタチツボスミレという種類として紹介したく思った。ニオイタチツボスミレというだけあって、花に匂いがあるという事(匂いがない個体群もあるらしい)なので、近々時間があれば、同じ場所に立ち戻り、その植物に匂いが有るか確認して来ようと思う。

ただ、不思議なのは、パッと見で、濃い花色だったのは、この一株だけで、少し離れたところに点在しているスミレ達は、タチツボスミレの花色であった。

おそらく、交配の歴史の中で、ニオイタチツボスミレの要素が濃く出る個体がたまに現れるのかなとも想像したいが、他の場所でも混生していると思しき場所を知っているので、今後は、ニオイタチツボスミレとタチツボスミレの関係性みたいなものに着目して、4月の野山のスミレの開花を楽しんでいこうと思う。

楽しみがひとつ増えた。

ジロボウエンゴサク

こないだの日曜の夕方に、子供達と近所の里山を散策した時に見つけた。この植物は、その一画(2メートル四方)にだけ生えていた。因みに、辺りを見回すと、同じ仲間のムラサキケマンは、あちらこちらに群落を作っていた。

エンゴサクの仲間も数種類あるが、おそらく関東以西に生息地があるジロボウエンゴサクだと思われる。

ジロボウエンゴサクを漢字で書くと、次郎坊延胡索となり、次郎坊のパートは、伊勢地方の方言でこの植物の事を次郎坊と呼んでいたところから来ている。因みに、その地域での太郎坊はスミレだったとのことである。一方、延胡索のパートは、中国でのこのキケマン属の植物の総称の延胡索から来ているらしい。

この植物も、アルカロイドを含む有毒植物のひとつであり、昔は薬用に用いられていたみたいである。もちろん、多用は毒となる。

ムラサキケマンとキケマン以外は、エンゴサクの仲間は多年草とことであるが、夏前には地上部は枯れて、土中の根茎の姿で生存するらしい。

たまたま、花が咲いているグッドタイミングに、このジロボウエンゴサクが目に付く場所を通ることが出来たことは幸運だったのかもしれない。