最近、近隣で見かけ写真に撮っていた。
大きさは、前翅長25ミリぐらいだった。
似たようなサイズと形の蛾にウスキシャチホコという種がいるが、ここまで黄色味がかっていると、キシャチホコが正解なのではと思った。
幼虫の食草はササ類との事である。この蛾を見かけた辺りの笹っぽい植物と言えば、メダケであろうか。
Enjoy a small world of nature in our neighborhood!
最近、近隣で見かけ写真に撮っていた。
大きさは、前翅長25ミリぐらいだった。
似たようなサイズと形の蛾にウスキシャチホコという種がいるが、ここまで黄色味がかっていると、キシャチホコが正解なのではと思った。
幼虫の食草はササ類との事である。この蛾を見かけた辺りの笹っぽい植物と言えば、メダケであろうか。
最近、気が付いた事だが、昆虫の分布状況を把握する際に、地図を上から眺めながら横方向の繋がりを模索するよりも、どの標高(気温帯)をメインに棲息しているかを掴んだ方が、昆虫の食草や種の進化の過程に繋がる情報を絞りやすいという事が分かって来た。
という事で、私が暮らす標高5〜25メートルぐらいのエリアの生物相の特徴を掴むためには、標高800メートルの辺り(気温が重要)のエリアとでも、違いがあるのか否かの比較は、少なからず色々なヒントをもたらしてくれる気がする。
では、このセミは、どうなのであろう。
大きさは、アブラゼミと同サイズぐらいだった。偶然に遊歩道に亡骸が落ちていたので写真に撮れたが、わざわざ捕虫網で捕まえてまでは写真に撮らなかったと思うので、今回はラッキーだったかもしれない。
最初は、クマゼミとも思ったが、クマゼミは、もっと緑の色彩も入っていたよなと思い、ちゃんと調べた所、エゾゼミという種だと分かった。
エゾゼミ(蝦夷蝉)というだけあって、低い気温を好むセミで、低地の平地には生息していない。そして、このエゾゼミよりさらに低い気温帯を好むセミにコエゾゼミというのが居る。コエゾゼミは、種名にコ(小)が付くぐらいで、エゾゼミよりはサイズ的に小さいのだが、外見的には両者は、結構似ていると、私は個人的に思う。
そして、私が混乱するのは、コエゾゼミは北方系の種で、エゾゼミは、南方系の種という事である。遠い太古に、大陸で、このエゾゼミ類の元祖が誕生した時に、超氷期にシベリア経由で来たのがコエゾゼミで、それより後の氷期に朝鮮半島経由で来たのがエゾゼミとでも考えれば良いのであろうか。どうなんだろう。
まぁ、とにかく、私が暮らす低地の平地には増えていけない種なのは、間違いなさそうである。ただ、遠く2万年前以上とかには生息していた可能性はある。
因みに、最近、気が付いた事だが、昆虫でエゾと種名の冒頭に付く昆虫達は、冷涼な気候帯で繁栄している種の気がする。近年の温暖化で少しづつ生息域が狭められて行っている昆虫達でもあるのかなと思う。
幼き頃から馴染みの深いセミである。
生まれ育った関東の低地には、当たり前に居た。引越し先の九州にも居た。
子供の時からこのセミに共通して抱いていたイメージは、晩夏のセミという事である。
私の中では、夏休みも終盤に差し掛かり、宿題を終えていない焦りを助長させてくれるセミだったかもしれない。
北部九州に住んでいた時には、10月の半ばまで、ツクツクボウシの鳴き声を聞く事ができたのを覚えている。セミ=夏のイメージを持っていた私には、随分と季節感を狂わしてくれるセミであった。しかし、秋も深まり始め、このツクツクボウシの鳴き声も日増しに聞こえなくなり始めると、途端に、何処かでツクツクボウシの鳴き声がしないか耳を傾けるようになり、まだ鳴いてたぁみたいに安心するのであった。
大きさは、一般的なアブラゼミやミンミンゼミよりは小さく、ニイニイゼミよりは少し大きい気がする。ヒグラシと同サイズかなと思う。
さて、このツクツクボウシの分布域を調べて、頭が混乱することになった。日本国内では、少ないながらも、北は北海道には生息していて、南は鹿児島県のトカラ列島にまで生息しているようである。そして、海外では、朝鮮半島、中国、台湾にも生息しているとの事である。
しかし、南西諸島には、生息しておらず、伊豆諸島には、八丈島にしかいないようである。一応、南西諸島と小笠原諸島には、近似種がいるのである。
ツクツクボウシに限らず、セミの分布には複雑な偏りを感じる。過去に一体どんな自然や環境の変化があったのかを、セミは教えてくれている気がする。