オナジマイマイ Bradybaena similaris (Férussac,1822)

このカタツムリは、開けた場所でも、湿度が保てそうな深めの薮や傾斜地で水が染み出しそうな場所の草むら等にいるカタツムリである。

寿命は、3年ぐらいらしく、大きく育つと殻径17ミリまで育っているように思う。近隣で出会う大概の個体は、殻径10ミリ前後だと思うが……。

そして、このカタツムリに出合いながら気がついてきた事は、幾つかの外見(殻の紋様)的特徴のパターンが存在し、オナジマイマイが生息している場所場所によって、そのパターンの比率が変わってくるというものである。

ウキペディアの記載も参考にしながら、先ずは、どういうパターンが主に存在しているかを以下に、写真付きで紹介していく。(全て、半径5メートルぐらいの狭い場所にいた殻径13ミリ前後のオナジマイマイ達である。)

茶色い帯が入るタイプ。

続いて、帯が無く黄色っぽく見えるタイプ。

このタイプは、殻の3層から5層辺りまでがより黄味がかって見える。この写真は、あまり良くない例。この場所にも、その良い例のタイプは居たが、写真に撮れていなかった。

この場所から数百メートルぐらい離れた場所の、その例がわかりやすい個体の写真を以下に。

他に、帯が無く、もっと濃いめの褐色に近い個体達を以下に。

より褐色の強いものだと、以下のようなのもいる。(多少、帯のようなものも見える。)

以上のような感じなのだが、この場所は、色々なパターンが揃う場所だが、場所によっては、どれか一パターンに偏っているケースが多い気がする。そして、色素が薄いパターンが多いと、所謂、国内外来種的扱いのコハクオナジマイマイとして注目される時があるが、オナジマイマイの色素が薄いパターン達なのではと分析しているケースが多い。

一応、ウキペディアには、帯が有る無しは、ある方が優性で、殻の色が白黄色か褐色かは、白黄色の方が優性と書かれていた。これから考えると、遺伝の法則で、ゆくゆくは、どんどん帯があって色が薄めの個体の比率が高くなって来る気がするのだが……現実は、どうなのであろうか。

ところで、このオナジマイマイBradybaena similaris (Férussac,1822)の分布を眺めるととても面白い傾向があって、ユーラシア大陸、オセアニア大陸、南北アメリカ大陸の東岸に分布が集中しているのである。一応、アフリカ大陸も、少し離れたマダガスカルを東岸と考えるなら東岸に……。

オナジマイマイの基本産地は、インドネシアのティモール島と言われているが、どうもオナジマイマイの世界分布分布を眺めるとサトウキビの栽培技術の伝播に伴い拡がって行っているように、個人的には見えるのだが……。そして、これを加速させたのは、18世紀の大航海時代のような気がする。サトウキビの起源も、ニューギニア辺りにあると言われている。

また、興味深かったのは、海外のオナジマイマイの写真は、褐色型のものが殆どの気がする。ゆえに、コハクオナジマイマイが、日本固有種というのも、あながち根拠がないものとは思えなくなる。

ところで、オナジマイマイのオナジって、どういう意味を含蓄しているのであろうか?