テングスケバ Dictyophara patruelis (Stål, 1859)

数日前に、近隣で見かけていたテングスケバの仲間である。というか、正真正銘のテングスケバである。

大きさは、翅端までの全長で、12ミリぐらい。

所謂、イネ科の植物を吸汁するということで、稲の害虫の一つとして扱われている昆虫である。

ちなみに、生息分布の方は、本州以南……九州まで。海外は、韓国にもいるようである。

ところで、このテングスケバの投稿をするに当たって、過去の自分の投稿を確認していたところ、つい最近、投稿済みであることを知った。そして、ここからが、重要なのだが、その時の投稿の写真と、今回の個体の写真を見てピンと来てしまった。同一種に見えないと……。

どこが違うかというと、上の写真の個体の方が鼻先が長く、複眼も小さい。もちろん、翅の色も少し違う。

そして、そちらは別種の可能性を視野に調べたところ、少しレア種のミツハシテングスケバと分かった次第である。

似たような種を何種も見つけ始めると、過去の種の同定の間違いに気がつく事が時々ある。今回が、それである。

キアシネクイハムシ? Donacia (Donaciomima) bicoloricornis (S.-H. Chen, 1941)

一昨日の晩に、我家の外灯下に来ていた甲虫の一つである。

大きさは、正直記憶出来ていない。というのも、上の写真の個体がキアシネクイハムシという種なら、9-10.5ミリぐらいの甲虫なんだが、そんなに小さかったけというのが本音である。しかし、イネネクイハムシ等の近似種になるともっと小さく、6.5ミリぐらいなので、そこまで小さくなかったことは確かだと言える。

初めて、この手の甲虫の存在に気づいたが、こんなに上翅の表面に特徴のあるカミキリっていたかという率直な疑問から種の特定はスタートした。しかし、やはり、カミキリムシの仲間でないなら、カミキリに似ている他科の甲虫を当たる中で、ハムシ科ネクイハムシ亜科なる存在を知った。

そして、国内にネクイハムシ達は23種いるとの事だが、本種は、キアシネクイハムシが一番近いかなと感じ、キアシネクイハムシ?のタイトルで投稿させて頂いている。

以下は、上の写真の個体をキアシネクイハムシとして、文章を書いてゆくが、生息分布は、国内は本州にはいるのは、我家で見かけたこともあって確かであるが、海外は、ロシア沿海州にも生息しているような情報を見たような気がする。

そして、キアシネクイハムシは、都道府県が独自に定めるレッドデータでは、千葉県が絶滅危惧Ⅱ類に、栃木県と青森県が、準絶滅危惧種に指定している。ちなみに、キアシネクイハムシだけが希少種という訳ではなく、ネクイハムシの仲間達は、軒並み希少種と考えた方が良いかもしれない。

ここで、ネクイハムシ達の習性なのだが、湿地に生える植物を食べることがある。キアシネクイハムシなんかは、ガマとかミクリなんかを好むとの事である。

湿地に生える植物を意識して見始めたのなんかここ数年前からなので、過去にそれらの湿地の植物がどんな推移をしてきたか見当も付かないが、これらのネクイハムシ達の増減・減少には、少なからずそれら湿地性植物の栄枯盛衰が関係してきているものと思われる。

今後は、意識的に水辺の植物と共に、ネクイハムシの仲間達も意識的に捜してみようと思っているが、現時点では、そうした水性植物の側で、ネクイハムシの仲間達に出くわした思い出は持っていない。

サビヒョウタンナガカメムシ? (Dallas、1852)

一昨日の晩に我家の外灯下に来ていた小さなカメムシ類である。

大きさは、体長5ミリぐらいだったと思う。

ちょっと写真が不鮮明だが、私は、上の写真のカメムシはサビヒョウタンナガカメムシだと思う。

決め手は、上翅の会合部に対にある白い小点だと思うが、同じヒョウタンナガカメムシ科で、ここに小点がある種は、ヨツボシヒョウタンナガカメムシコバネヒョウタンナガカメムシがいるが、それらの2種はもっと細身である。他に同地点に対の小点がある種に、イチゴチビナガカメムシもいるが、こちらは似たような横幅だが、サイズが若干小さいのと、鼻先が上の写真の個体ほど尖っていない気がする。

さて、このサビヒョウタンナガカメムシも、稲を吸汁して斑点米を作るイネの害虫として捉えられている。

国内の生息分布は、本州以南……九州近海を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外は、韓国や中国やインドの一部……あとはハワイ諸島に、興味深いのは、アフリカ大陸の南部のジンバブエ共和国、ザンビア共和国、モザンビーク共和国辺りでも生息報告があることである。このアフリカへの拡がりは、アフリカ諸国の食料自給率のアップを目指して、アフリカの国々がお米の栽培に取り組み始めたことが関係しているような気もする。