9月の半ばに仕事先で、ヒメエグリバという枯葉に擬態してると思われる小さな蛾の写真を撮り、このブログにも投稿していたが、その幼虫の食草のアオツヅラフジも、家の近所で見つけて写真に収めていたのを思い出した。
本日、そのアオツヅラフジの投稿をする。
紛らわしい種類には、オオツヅラフジという種があるが、実の付き方から、アオツヅラフジの方だと思う。
さて、このアオツヅラフジなる名前は聞いたことがあるが、殆ど馴染みはなかったツタ植物。そして、この青い実含め実際は根から茎まで、全ての部位に有毒成分があるという事である。私などは、有毒イコール猛毒と思ってしまうタイプだが、有毒なのであって、猛毒なのかどうかは、私には判断しかねない。
この毒成分であるアルカロイドの各成分は、毒にも薬になるようである。というのも、漢方の世界では、このアオツヅラフジの根塊等を乾燥させて、粉末にした物を木防己と言い、煎じて飲用すると、利尿効果他があるらしい………製薬会社も、他の漢方の成分と調合して、木防己湯という名で販売しているが、説明書きの効能のひとつには、慢性心不全への効果が有ると書かれている。
一方、アマゾンの奥地の未開の人達は、ツヅラフジ科の一種のツタ植物を乾燥させて粉末にした物を他の粘性のある植物の粉と混ぜて作ったものを、矢尻の先に塗り毒矢として使って来た歴史がある。そして、この毒は、心臓や呼吸系統を随意に動かしている筋肉を弛緩させる成分だと解明されている。矢に射抜かれた動物は、呼吸系統を動かしている筋肉を止めて死に至るとの事である。(実験的にその呼吸の止まった動物に人工的に肺に空気を送り込み続けると、死にはせず、毒の成分が体内から抜けると、呼吸も戻るみたいな記事も見つけた。真偽は分からない。ただ、人工呼吸の救命処置の必要性には繋がる内容の気がする。)
この木防己は、漢方の世界では、アオツヅラフジとオオツヅラフジの2種から作られるものがそれぞれ区別されていないが、現実のところ、成分には違いがあり、今回の投稿の主役のアオツヅラフジから作られた木防己を、服用し続けると、腎不全を起こすとの報告が上がって来たみたいである。ゆえに、現在、木防己を作る時には、このアオツヅラフジの方は、使われていないのでは無いかと思う。
あと、このアオツヅラフジの木防己には、鎮痛を生み出す成分も入ってるとの事である。
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