ウリハムシ

仕事先で写した昆虫の写真を紹介することにする。写真のデータでは、9月12日撮映となっている。

名前は、ウリハムシ。体長1センチにも満たない凄い小さな甲虫である。

名前が示している通りに、ウリの仲間が好物である。写真でかじっているのも、ウリの仲間(現時点では、正確な種名が分からない)である。

この写真からも見て取れるように、葉っぱに丸く円状の噛み跡が刻まれているのが分かるだろうか。(この写真では、切取線みたいな仕上げになっている。)

これは、トレンチ(塹壕)行動と呼ばれる行動で、ウリ科の植物が食害され始めた時に食べられまいと出す苦味成分を最初に掘りや壕みたいな形を作り断ち切る事によって、食べる部分へと生成された苦味・渋味成分が来ないようにする目的でやっていると言われている。

ちなみに、このウリハムシは切取線みたいな仕上がりで、苦味成分の到達を防ぐ塹壕を作っているが、過去に同じ科のクロウリハムシを観察した時には、葉の表面を少しかじり剥ぎ取るみたいな感じで円状の塹壕を作っていた気がするので、これが種によっての特徴なのか、今後、意識して観察するポイントにしたいと思う。

タマムシ

今の土地に引っ越して来て7年ぐらいが経つのではと思うのだが、正直、地元で、生体でも死骸でも、タマムシに出会った事がなかった。生息してない訳ではなく、私がたまたま出会って来てなかったのだと思うのだが………

そんなタマムシが、今年は当たり年である。数日前にも庭で、寿命を全うしたと思われるタマムシの死骸を見つけた。自宅でのタマムシとの遭遇は初めてのことである。

タマムシとの初めての出会いは、子供の頃の街中の小学校の校庭。既に死んでいたけど、キラキラと輝く綺麗な姿に感動し、直ぐにタマムシという名前も心に深く刻まれる事になった。

その後のタマムシとの接点は、殆ど思い出せないが、数年前に仕事で出入りしていたある製薬会社(この会社は、製薬会社という見地からか、敷地で除草剤を使っている現場に出くわした事は無かった)の敷地で、毎年、数匹のタマムシに、生体であれ死体であれ、出会う事が出来た。そこで、その敷地内にタマムシが確実に発生している原因を分析してみようと、敷地内を眺めるのだが、所謂タマムシと言えばエノキと言われるエノキの木は1本も生えてなかった。隣接する界隈も見渡しても、エノキは見当たらなかった。敷地内にある大きめな木は、元気な巨大なケヤキ達、手入れの悪く痛みも激しい桜の古木達、それと敷地を覆うように植えられているシラカシ群といった具合である。

ゆえに、タマムシの生育には、エノキが絶対必要というわけではないのかなと思うようになっていた自分が居た。

そんなタマムシを、今年は家の近所でも探してみようかと、家の近所で目に焼き付いているエノキやシラカシの老木巡りでもしてみようと考えていた矢先、家から2キロほど離れている親族(妻の実家)の家に遊びに行った私の子供達がタマムシの死骸を、次から次へと持ち帰って来るようになった。

元々、妻の実家なら、私もタマムシが活動する時期に幾度となく何年も通っているが、タマムシに、その場所で出会った記憶は無い。

じゃあ、どんな環境条件に変化があったのか?

その場所には、同じ敷地に、数年前から薪ストーブを使う新しい家が建ち、大量の薪や丸太がストックされるようになったのである。そして、それらの薪や丸太のうち、燃やされる事なく数年放置されていたホダ木の中から、タマムシ出現しているのは間違いないと思う。違う場所で切り倒され短期間放置された木の中に、既にタマムシの幼虫が居たのか、後にその敷地に置かれている手頃な木にタマムシが産卵に訪れたのかは分からないが、とにかく、薪ストーブ用にストックした木の中から、タマムシが出現してるのは間違いなさそうな気がする。

私もその場所で生体を見つけたので、その時に撮った写真を以下に載せておく。

最後に、このタマムシという昆虫、とても美しく、見る人を魅了する色彩や光沢を兼ね備えた一種特別な昆虫の気がする。美しいタマムシの出会いや感動から、自然に興味を持ち、自然を大切に思う人達が増えていくキッカケをくれる自然界と人間界の間に立つアンバサダー的な昆虫の一つだと思う。

タマムシが産卵に来るホダ場の整備・管理を人間が意図的に行えば、より多くの人がタマムシの美しさに触れる機会が増えると思われる。

昆虫界からの大使であるタマムシの考えは如何に?

オビガ(成虫)

8月の頭に家の近所の小学校の体育館で写真に撮っていた蛾の名前が、2ヶ月近く経った今、判明した。

日本固有種(?)で、科に属する種類が、この1種類しかいないオビガという蛾である事が分かった。

オビガの名の由来は、上の写真でも分かるように、前翅後翅を横に貫く形の線を帯になぞらえたのかなと思う。幼虫は、ハコネウツギやスイカズラの類に寄生するらしい。

さてさて、このオビガが、同科1種という事実を知ったときに、と言うことは、このオビガの色彩や紋様も多岐に渡るのではないかとの予測がついた。案の定、ネット上で、このオビガの画像を見ていくと、横に貫かれる線以外は、色合いも細部の紋様も様々なオビガに出会う事になった。

そして、他の科の蛾達に目を向けた時に、サイズの違いはともかく、微妙な紋様の違いで別種や亜種に区分されてる蛾の仲間達も多い気がする。

この違いって、何なんだろう?最近、こういうところが気になり始めた。😊