仕事のお昼休みに散歩していたら、散歩道の枯れた木の洞の近くの幹肌に、数匹の昆虫の幼虫らしきものを発見。
遠目に、てんとう虫の幼虫にしては大きいなとは思っていたが、近づいてみて、サシガメの幼虫と分かった。そして、見たことない気がしたのと、その大きさが気になった。この辺りで見かけるサシガメの幼虫にしては、終齢と言えど大きいと思った。
その大きさと紋様に対する前知識から、外来種であるヨコヅナサシガメが臭いのではと推測してみたが、正しい推測であったみたいである。
ヨコヅナサシガメ……昭和初期には、外国からの荷物に紛れて来たのか、九州地方では確認されており、1990年代には、関東でも見かけるようになったとのことである。
現在のところ、関東以北では、それほど確認の報告が無いようである。
この事からも、南方系の外来種の気もするが、ヒロヘリアオイラガの天敵として知られており、実際にヒロヘリアオイラガの幼虫をかなり吸汁して減らすようである。
ヒロヘリアオイラガ自体も南の方から広まって来ている外来の蛾であり、葉の食害及び、刺されるとかなり痛い毒針を幼虫が持っている事から、ヒロヘリアオイラガの幼虫が減ることは、個人的に悪くないと思う。
さて、このヨコヅナサシガメは、6月7月に大きな木の洞に産卵し、幼虫は来春に向けて、集団でその洞の中で成長してゆくようである。本日、見かけた幼虫達も危険を察すると、洞の中や樹皮の間へと隠れていった。
サシガメ類を見ていると、蛾の幼虫に限らず、色々な昆虫を吸汁捕食している瞬間を目撃するが、サシガメがいるから他の小昆虫達が減ったり、逆にサシガメだけが沢山いるといったアンバランスを、近隣の自然下で感じたことはない。
ヨコヅナサシガメの確実な繁殖場所を見つけたので、今後、ちょっと時間がある時などに、このヨコヅナサシガメの生態や動向を観察して行ってみようと思う。