シロスジクチキヒメバチ

目下、近隣の里山では、この蜂が沢山乱舞している。後脚を重そうにダランと垂らして、まるで、白と黒のか細小さめのアシナガバチのような雰囲気である。

ただ、里山の何処にでもいるわけではなく、手付かずの森の林縁なんかで見かける。

名前を調べたのだが、おそらくシロスジクチキヒメバチで合っていると思われる。

決めては、クチキ(朽木)の部分である。この蜂は、所謂、寄生蜂の仲間であり、長い産卵管を朽木の中に差し込み、中に暮らす他種の幼虫達に産卵し、シロスジクチキヒメバチの幼虫は、その寄主に寄生して羽化まで辿り着くのである。

まさに、このシロスジクチキヒメバチが乱舞している場所は、そうした自然に生まれた朽木が人に片付けられることなく散乱しているような場所なのである。もちろん、こうした習性だけでなく、紋様の方も、シロスジクチキヒメバチの多くの写真と酷似してはいる。

ところで、このシロスジクチキヒメバチが沢山飛んでいるということは、それだけ朽木の中で産卵され寄生され、最終的には死んでしまった色々な昆虫達の幼虫が居る事を意味している。

ただ、そうした寄主となる昆虫達の幼虫が全滅してしまえば、このシロスジクチキヒメバチも生きていけなくなるわけで、産卵寄生される以上の豊かな昆虫達の生態系が、そうした場所には、維持されているんだと思われる。

フジナガハムシダマシ?

数日前に、我家の外灯下に来ていた甲虫である。写真は、拡大してあるが、体長1センチほどで、とても小さな甲虫である。

既に飛来し、これからも我家の外灯下に現れるだろう様々なジョウカイボンの仲間であろうと最初は思ったが、気になったのは、上翅後端のとんがり具合だった。ジョウカイボンの仲間はここが平たい気がする。

そこで、何なんだと、色々調べた結果、ナガハムシダマシという種類が臭いなという結論に至った。

実際のところ、ナガハムシダマシなのかフジナガハムシダマシなのか決定的な証拠に欠けるが、現段階では、フジナガハムシダマシというタイトルを付けておこうと思う。

ミスジチョウ 幼虫 成虫

昨晩、夜に懐中電灯で、家の庭木を照らしていたら、モミジの未だ芽生えたばかりのフニャフニャの葉にぶら下がる蛾の幼虫らしき物体を発見。

写真が撮りにくい場所だったので、一旦捕獲して、室内で撮影を試みた。

なんか見たことがあるようなないような。早速、蛾の幼虫を当たるが、ヒットせず。こんなに特徴的な出立ちにも関わらず、ヒットして来ない理由が分からないまま、どっちが頭部だろうと、もう一度、その幼虫を観察すると、意外にも頭部はハッキリと見えていた。

その頭部の紋様を見て気が付いた。過去にヒメジャノメの幼虫の頭部を見た時と同じだと。そして、蝶の幼虫だと気が付いた。上の写真でも、その頭部の特徴は写っている。

今度は、蝶の幼虫を当たると、直ぐに、ミスジチョウの幼虫がヒットして来た。

ミスジチョウの幼虫は、今回のモミジのようなカエデ類を筆頭にハンノキやブナ科の樹木の葉等を広範囲に食べるようである。

ミスジチョウは、ごくたまに我家の庭も飛んでいるのを見かけるが、似た感じで小さめのコミスジに比べると、全然少ない印象である。

低空をサラサラっと迷いなく飛んで静止することなく立ち去るミスジチョウが、気付かない間に、我家のモミジの木に産卵してたとは少し感動である。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2021年5月10日追記。

実のところ、この写真を撮った後に、このミスジチョウの幼虫は飼育してみた。

数日で殆ど動かなくなり、死んでしまうのかと思っていたら、いつの間にかモミジの枝にぶら下がり蛹になっていた。

そして、蛹になってからが長かったが、蛹の方も、この蝶の成虫のサイズからすると小さいもので、しかも蛹の下半分は透けていて身が入っているようには見えなかった。半ば、本当に、こんな小さな蛹から中大型のの蝶が羽化して来るのかと半信半疑であった。

しかし、ある日、4月の終わり頃だったが、その蛹は蝶になっていた。蛹期間は2週間ぐらいだったと思う。

翅が上手く開かなかったのか、乾くまで待っているのか、室内のカーテンの後ろにいた。何回か自力で羽ばたいて移動しているのを確認したので、屋外へとリリースしてあげた。

しかし、翌日、庭のスイレンバチに浮いているのが目に止まった。ごめんなさいという気持ちで、弔ってあげようと拾い上げたところ、まだ生きていたので、近くの草むらに止まらせてあげた。

その後の消息は分からない。