クモヘリカメムシ

少し涼しくなり始めた秋口より、イネ科のメヒシバやエノコログサの雑草群に、この細長いカメムシを見かけるようになった。

名前は、クモヘリカメムシ。(下の写真は、珍しく微妙に明るさの補正してあります)

写真は拡大してしまっているが、平均サイズ17ミリぐらい。危険を感じると、身軽に飛び立つ逃避行動を何回でも続ける。

さて、このクモヘリカメムシは、 イネ科の植物に付くみたいで、水田の周りに、メヒシバやエノコログサを始めとしたイネ科の雑草群が有ると、当然、同じイネ科の稲にも移動して、実に加害を与えてしまう稲の害虫となってしまうようである。

ただ、私が幾つかの水田周りの雑草群を見て回る限り、必ずこのクモヘリカメムシは居るような気がする。直ぐに見つけれるということは、見えないところでは、結構な数が生息しているのではと推測する。

稲穂の早い段階で吸汁されしまうと穂はあるけど実が入ってないみたいになってしまうとのことである。また、クモヘリカメムシの吸汁は、斑点米の原因にもなる。

そこで、重要になってくるのは、害虫の発生〜越冬場所になる水田周りの畦等の雑草刈りである。単なる無計画な人間のペースでの雑草刈りでは、刈られる草も、生存をかけて、結実までの成長スピード等を進化させてくるだけである。

重要なのは、雑草、そこを生活圏にする害虫、そして農産物のライフサイクルや習性を、しっかりと観察・洗い出して、計画的に水田周りを維持する知識や計画を学問として、進化・浸透させる事だと感じる………もしかすると、取り戻す事だと感じる。

身近な自然に触れる中で、頂点を自負する人間達の奢りを横目に、弱者や死者を装いながら、生存への進化を遂げている小昆虫や植物達のしたたかさにに気づかされる事が有る。

道具や薬を進歩させるのと同時に、したたかさや小さな変化を見抜ける人間の繊細な感覚が退化の方向に向かっていないか不安になる今日この頃である。

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2020年3月27日追記。

我が家の庭でも、越冬したと思われるクモヘリカメムシの写真を撮ったので、以下に貼り付けておく。撮影年月日は、3月9日。

オオヨコバイ (つくば市中部)

少し前に、仕事先で、敷地内の雑草が広範囲に渡って刈られた日があった。と同時に、住処を終われ隣接する植込みに、普段植込みには居ない昆虫が多数押し寄せてきていた。

そんな昆虫のひとつが以下のオオヨコバイであった。

オオヨコバイが元々跳び回っていた場所は、イネ科のメヒシバやエノコログサがメインで生えていた雑草群であった。

大きさは、似たサイズのツマグロオオヨコバイと同じぐらいで、8ミリ内外。ただ、ツマグロオオヨコバイが横這い(ヨコバイ)の名に相応しく、横歩きで葉裏に隠れたりするのに、このオオヨコバイの方は、危険を感じると、飛び立って逃げる感じである。なかなか静止してくれない。この理由の一つは、このオオヨコバイが生息するイネ科のエノコログサやメヒシバの茎が細く、茎裏等に回っても姿を隠せない事が関係しているように思える。だったら、少し遠くへ飛んで逃げろという危険逃避行動を学習して進化して行ってる気がする。

このオオヨコバイは1年中見られるわけではなく、少し涼しくなり始めた秋口から、まさにイネ科の雑草群の中に(大量)発生し始めた印象がある。

ただ、同じ植生の雑草群でも、居る場所と居ない場所や、生息数が濃い場所と薄い場所がある気がする。この違いを、今後、観察・考察して行ければなと思う。

スジキリヨトウ 成虫 幼虫

こないだ、娘と庭の芝の手入れをしていた時に、この幼虫に出くわした。初対面というわけではなく、我家の庭に芝がある限り出会い続ける蛾の幼虫の気がする。

その名は、スジキリヨトウ。

大きさは、これで2センチぐらいだったと思う。我家の芝庭では、たまに見かける幼虫だが、我家の芝が、これといってこの幼虫の食害に合ってる実感はない………もちろん気付いてないだけかもしれないが……


2020年5月6日追記

昨晩、家の外灯に集まる虫を眺めていたら、とある蛾を発見。そのうち種名でも分かれば良いなと思いながら、ポケットからスマホを取り出し写真に写す。

すると、また違う外灯に色合いが微妙に違う蛾が止まっている。

すると写真に撮ろうとしている最中に、また別の蛾が外灯の下の壁に体当たりしている。そして止まった。

一応、手の届く範囲にいた蛾達を写真に収めた。その場で写真を撮っている時には、色合いの違いから別種の蛾達を写していると思っていたが、部屋で撮った写真を見返した時に気が付いた。

これらは、色合いや雰囲気に個体差があるが、同種ではないのかと。

同種だと気が付いた後は、推理が始まる。この蛾達が、よりによって遠方より我が家の外灯の下に集まって来ている可能性は低い。家の敷地内で誕生している可能性が高いのではと。

ここまで来ると、外灯の前にある高麗芝の芝生から出て来たスジキリヨトウって、この蛾ではないのかとの疑惑が生まれる。

あとは、裏付けだが、全てズバリ、スジキリヨトウの成虫であった。

ここで、また疑問が出て来た。GW中ということもあり、期間中のんびりと外灯の下に集まる虫は眺めていたが、昨日までこのスジキリヨトウは見かけた覚えがない。きっと、サナギが羽化し始めたのかなとも思われる。今年は、3月の頭辺りからは、夜に芝生の上を歩くスジキリヨトウの幼虫を確認していたので、今のシーズンが1回目の発生なのかなとも考えた。

さて、このスジキリヨトウ……大きさは縦に2センチ弱ぐらい。思ったよりズングリしている。雌の触角は、糸状。雄の触角は両櫛歯状。(1枚目と3枚目の写真が櫛髭状で雄かと思われる)

今回、同定の決め手となったのは、なんといっても翅を貫く鳥の脚みたいな筋紋様だが、これが、このスジキリヨトウの成虫の期間にずっとハッキリと見てとれるのかは分からない。