目下、近隣の里山では、この蜂が沢山乱舞している。後脚を重そうにダランと垂らして、まるで、白と黒のか細小さめのアシナガバチのような雰囲気である。
ただ、里山の何処にでもいるわけではなく、手付かずの森の林縁なんかで見かける。
名前を調べたのだが、おそらくシロスジクチキヒメバチで合っていると思われる。
決めては、クチキ(朽木)の部分である。この蜂は、所謂、寄生蜂の仲間であり、長い産卵管を朽木の中に差し込み、中に暮らす他種の幼虫達に産卵し、シロスジクチキヒメバチの幼虫は、その寄主に寄生して羽化まで辿り着くのである。
まさに、このシロスジクチキヒメバチが乱舞している場所は、そうした自然に生まれた朽木が人に片付けられることなく散乱しているような場所なのである。もちろん、こうした習性だけでなく、紋様の方も、シロスジクチキヒメバチの多くの写真と酷似してはいる。
ところで、このシロスジクチキヒメバチが沢山飛んでいるということは、それだけ朽木の中で産卵され寄生され、最終的には死んでしまった色々な昆虫達の幼虫が居る事を意味している。
ただ、そうした寄主となる昆虫達の幼虫が全滅してしまえば、このシロスジクチキヒメバチも生きていけなくなるわけで、産卵寄生される以上の豊かな昆虫達の生態系が、そうした場所には、維持されているんだと思われる。