このハバチは、1日おきとかに仕事で訪れるある場所で必ず会える。
昆虫に関心を持つようになった数年前からは、ずっと意識の中にいる。その場所には、10年以上前から訪れているので、10年以上は見てることになるんだと思う。
最初は、意識の中にもなく、そのうち、ただの黒い飛ぶ虫が居るなとなり、やがて、ハバチの仲間である事を知り、色も黒ではなく、実際のところは瑠璃光りする黒である事に気が付いた。
しかし、種名は調べようとする気にはなれなかった。理由は、似たようなそっくりのハバチが五万と居て、種に辿り着けないだろうとの臆測が働いていたからだ。ただ、最近は、何から発生しているのかなという事は、常に気にかけて探っていた。
そして、普段は、なかなか静止しないのだが、死期が近いのか動きの鈍い個体が目立つ日があった。という事で、写真に撮ってみた。これまでも、何回も写真に撮ってきているが、どうしても鮮明な写真が撮れずにいたが、今回は、自分にしては、まぁまぁの写真が撮れたと思う。大きさは、1センチちょっとぐらいのハバチである。
そして、写真を見ながら、「確かにいつも瑠璃色感はある。」と呟きながら、単純にルリチュウレンジという種がいるけど、ルリチュウレンジの幼虫の食草って何と調べてみた。
すると、ツツジと出てきた。ここで、全て繋がった。前々から臭いなとは思っていたが、このルリチュウレンジを必ず見かける一角は、ツツジの植栽があちこちにあるのである。
ただ、ツツジに直ぐに結びつけられなかったのは、もちろん、ツツジの上に止まっていることもあるが、このルリチュウレンジが、あらゆる草花や樹木で休んでいる姿を見るために、幼虫の食草を絞り込めなかったのである。
また、このルリチュウレンジの成体は、いくらでも見るが、幼虫の方は、未だに見た事がない事も、寄主を絞り込めない理由であった。
灯台下暗し……解決へのヒントは、結び付かなかっただけで、案外、近くにあったのかもしれない。