ナガバハエドクソウ

目下、近隣の雑木林で、一本の花穂に小さな唇形の花を散りばめる少し地味目だけど風情のある植物に出会う事ができる。

名前は、ナガバハエドクソウだと思う。似た種に、ハエドクソウもあるが、花の形状に微妙に違いがあるのと、ハエドクソウは、もっと茎の上の方まで葉が生えているとのことである。

実際のところ、ハエドクソウもこの目で確認出来れば、自分なりに色々な違いを言及できるのだが……

ところで、ハエドクソウを漢字で書くと、蠅毒草であり、昔は、この植物の根を煮詰めた汁でハエトリ紙を作っていたとの事である。

トウキョウヒメハンミョウ

先ほど、我家の外灯下に来ていた甲虫である。

大きさは、体長9ミリぐらいだったと思う。確か、この面構えは、ハンミョウの仲間のはずだと思い、ハンミョウ科を当たると、トウキョウヒメハンミョウという種が浮上してきた。日本にいるハンミョウの仲間では、最小種との事である。

さて、このトウキョウヒメハンミョウ……トウキョウと種名に付いているが、元々は、台湾や中国大陸南部に生息していたものが、昭和初期に日本に持ち込まれ定着して現在に至る外来甲虫のようである。

ゆえに、拡がりも局地的であり、関東と北九州や山口県で主に見られるようである。また、北九州と山口県に生息しているという事実は、その中心にあるかつての主要貿易港である門司港に着岸した船から拡がっていった事を推理できる。また、関東の拡がりは、別ルートで、横浜や東京の港から拡がって行ったんだと思われる。

私的には、ハンミョウの仲間の写真を初めて撮る事が出来た。近隣の自然下で、ハンミョウの仲間には、それほど出会えない気がする。今年の春に、近所の小川沿いの土手道で、今回のハンミョウよりずっと大きい種を見つけて写真撮影を試みたが、逃げられてしまった。本当は、指で捕まえて写真に撮りたかったのだが、確かハンミョウの仲間には、カンタリジンみたいな毒成分を出す種がいるのを思い出して慎重に行動したのを覚えている。

シロバナツユクサ

少し前に、近隣でツユクサの群落の中に、白い花が少しだけ混じっている事に気が付き、近づいて見ると、花が少し大きいけど、ツユクサの白い花にしか見えないという場面に出くわした。

それから、数日、その場所から、2キロぐらい離れているだろうか……再び、白い花のツユクサを見かけた。ただ、今度は、様子が違う。青い花の一般的なツユクサもあるが、白い花のツユクサの方が優先種となっている。

もう一枚。

一瞬、除草剤でもかけられて、死ぬ間際に花色が薄くなっているのかと勘繰ってみたが、どうも元気にしか見えない個体も多い。

個人的に、夏の炎天下が続く日に、あのビビッドな青と黄色のコントラストの小花を見つけると、私は、少しハッとさせられ、ダラダラとしたウダウダ感からキリッとした集中に舞い戻される事がある。夏の暑さの中、小粒だけどキリッと清涼感があるのが、一般的な青い花のツユクサに私が持っているイメージである。

シロバナのツユクサには、殆ど出会わないので、シロバナのツユクサに、個人的にどんな視覚的効能があるかは、まだ未知だが、取り敢えず、シロバナのツユクサが存在する事は分かった。

因みに、この一画には、青い花の一般的なツユクサもチラホラあったが、同時に、水色や薄紫の花のツユクサもチラホラあった。

そのうち、色々な花色のツユクサを少しづつもらって来て、自分の家の庭にでも植えてみようかとも思うが、果たして、家で、見て楽しめる余裕が持てるかどうか。忙しい現実が待っている。