コガムシ

昨晩、ふと、近所の徒歩でも簡単に行ける大きめの駐車場に立っている水銀(?)灯を訪れてみた。

昨年は、繁く訪れ、多くの灯りに集まる昆虫達を見かけて写真にも撮った。この場所を訪れる理由のひとつに、我家の外灯下に集まる昆虫達が少ない時に、近くの他の場所はどうなのであろうとの比較の目的もある。概して、我家の外灯下に集まりが悪い時は、どの場所にも、あまり多くの昆虫達は集まっていない気がする。

そして、少ない獲物の中で、以下の甲虫が駐車場のアスファルトの上を歩いているのを見かけた。 

大きさは、25ミリぐらいかな。こんなツルツルの表面のコガネムシは見たことないと、用意周到に持っていたプラケースに入れて持ち帰ることにした。

ただ、帰宅後に一応、コガネムシの仲間の写真を、片っ端から当たるが、ヒットして来るわけはない。おまけに、コガネムシの仲間特有の触角の先のふさ髭みたいな物が見て取れない。

この時点で、ピンと来た!この顔は見覚えがあると。

そうだ、谷地の田んぼの端っこに溜まる藁クズのゴミをガサっと網で掬うと入ってくる水生昆虫のガムシだと……。

上の写真の個体は、ガムシだと思う。ガムシやゲンゴロウが灯火にやって来るのは知っていたが、本当にそれを確認出来た。この灯火のある場所から一番近い水田や旧耕田まで、6〜700メーターといったところであろうか。

最後に、このガムシを調べていて愕然とする情報に出会った。環境省のレッドデータで、準絶滅危惧種に指定されているではないか。という事は、多くの都道府県が独自のレッドデータでレッドリストに入れている事を意味するが、案の定、23もの都道府県が、準絶滅危惧種以上の指定をしている。

そんな扱いを受ける昆虫が、身近に当たり前にいる環境……大切にしたいね。

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2021年7月8日追記

上の投稿の翌日に、ガムシと言っても、ガムシ、コガムシ、ヒメガムシと3種類ぐらいに分かれている事を知った。

そうすると、私が見た上の写真の個体は、体長35ミリ以上とかはなかったので、コガムシなのかなと思う。

ヒメガムシというのは更に小さいようである。15ミリ前後。

ただ、コガムシも、ガムシ程ではないが、少なくなって来ている甲虫のようで、環境省のレッドデータには登録されていないが、20もの都道府県が準絶滅危惧種以上の扱いをしていることを知った。

それにしても、ガムシの平均サイズ35ミリ以上とかって、どんだけ大きい水生昆虫だと感じた。余裕で小さめなカブトムシのメスぐらいはある。

ヤマトゴキブリ 雌

昨日、久しぶりに近所の雑木林に樹液に集まる虫を見に出かけた。

子供の習い事の迎えに行くまでの束の間の時間だったので、観察時間は10分ぐらい。時間帯は、夜9時ごろ。

毎度の事だが、ゴキブリが居たので、一応写真に撮ってみた。しかし、何か変であることに気がついた。

翅が短いのである。そして、翅が短いゴキブリを調べたところ、ヤマトゴキブリという種のメスの翅が短いという事が分かった。他にも、オオゴキブリも翅が短くなる事が起きるらしいが、上の写真はオオゴキブリでは無さそうである。

さて、ヤマトゴキブリという種名を初めて耳にしたが、結構昔から日本にいるゴキブリらしく、同じ種が韓国や中国北部にも生息しているらしい。ゴキブリの中では寒さに強い種であり、北は青森県から、西は本州の山口県辺りまでは、普通に見られるようである。

今回見つけた場所も、雑木林の樹液の出た木の樹液脇といったぐらいなので、屋外の寒さでも生息出来る種となる。ただ、昔みたいな気密性の無い隙間だらけの日本家屋では、少しでも暖かいところをと屋内に住み着くケースがよく起こっていたものと考えられる。こういった習性からも、半屋内性のゴキブリと言えるのではないだろうか。

ところで、私は現時点で区別が付かないが、所謂、皆の嫌われ者の超一般種のクロゴキブリと、このヤマトゴキブリを勘違いして認識して来ていないかと考えるようになった。

正直なところ、我家の外壁とかに、極たまに、この手のゴキブリが居るのを目撃するのだが、そして、今までは、一般的なクロゴキブリだと思っていたが、このヤマトゴキブリの雄の可能性があるなと思い始めた。

今度、過去の写真を確認してみようと思う。

マイマイカブリ 幼虫

数日前に近隣で、この幼虫がコハクオナジマイマイもしくはオナジマイマイといった小さなカタツムリの殻に頭を突っ込み捕食している現場に出くわした。

大きさは、35ミリぐらい。何の幼虫であろうと観察しようと近付いたところ、この幼虫の特徴として、薄らと青みがかった金属光沢が見て取れた。

ここで、自分の中では、アイツだと繋がった。カタツムリを捕食していて、青い金属光沢があるのは、近隣ではマイマイカブリである。

ところで、家の近所で、炎天下のアスファルトの上で、ウスカワマイマイというカタツムリの殻口に頭を突っ込んでいる似たような幼虫を見たことがある。その幼虫は、我家の庭でも、ごくたまに出くわすが、そちらは艶ありの漆黒で青い光沢感はない。こちらは、クロナガオサムシの幼虫だと思うのだが、正しいであろうか?

クロナガオサムシも、マイマイカブリ程ではないが、少し細っそりと長めの首を持っており、カタツムリの殻の中に顔を突っ込むのには適している形状の気がするが、そのせいか、クロナガオサムシの事をマイマイカブリと思い込んでいる人達も多いのではと思う。そんな、私も、我家の敷地で初めてクロナガオサムシを見たときに、マイマイカブリではないと見抜けたが、似ているな〜とは感じていた。

同じオサムシ亜科の中で考えた時に、クロナガオサムシは、マイマイカブリへの進化の途中なのか、マイマイカブリの独立性を感じるとマイマカブリは突然変異が固定されたのか、人類の歴史なんか及ぼない遠い過去の世界で、何が起きていったのか興味が湧くところである。

ちなみに、マイマカブリは飛べない(中心に線はあるものの翅もくっ付いている)と言われている。クロナガオサムシも飛べないのではと思う。

ここで、仮説を立てたいのは、所謂樹上性のカタツムリは、この天敵のマイマイカブリ等を避けるために、木の上で暮らすようになったのではというところだが、如何なのであろう?