プライヤエグリシャチホコ 成虫 Lophontosia pryeri (Butler, 1879)

最近、近隣で、この蛾を見かけ、写真に撮っていた。

大きさは、前翅長13ミリぐらいだったと思う。

随分ほっそりと止まっている。前翅の後縁から翅頂にかけての角度が鋭角な気がしたが、この写真を撮った直後に、飛び立ってしまった。

気持ちを切り替え、他の蛾を探そうと、辺りを見回すと、水溜りに茶色い蛾が浮いている。うん?……もしかして、飛んで逃げた蛾であろうか?

随分、雰囲気が変わったが、以下が、その蛾の写真である。

そして、この蛾が生きている事も見てとった。この時点で、壁面に止まっていた蛾と同じ個体であることを確信した。この蛾がいる場所は、既にチェック済みだったので、この生きてる蛾を見逃すはずがない。チェック後に飛んで来れるのは、直前に壁面にいた蛾しか考えられないとなったのである。

さて、上の翅を広げた写真を見ると、ヤガ科の蛾にしか見えない。決して大きくなかったサイズも考えると、ヤガ科のヨトウガ亜科を総当たりしてみた。(ヤガ科のヨトウガ亜科には、相当な数の蛾が名を連ねているので、骨の折れる作業である。)

結果は、坊主である。そして気がつく。ヤガ科の蛾にしては、触角が立派過ぎるし、頭部の形も少し特徴的であると。

こうなって来ると、次に私が選んだのは、立派な触角が売りのドクガ科とシャチホコガ科である。ドクガ科でも外れ、次にシャチホコガ科を当たる中で、とうとうプライヤエグリシャチホコに辿り着いたのである。長い道のりだった。

プライヤエグリシャチホコの幼虫の食草は、ニレ科のケヤキらしい。先ほど投稿したウンモンスズメの投稿の際も触れたが、ケヤキがこの場所の近くにあったかなぁという疑問が残る。

ちなみに、プライヤエグリシャチホコのプライヤは、19世紀にいた昆虫学者の名前から採られてるとの事である。

ホソミスジノメイガ 成虫 Pleuroptya chlorophanta (Butler, 1878)

最近、近隣で、何か虫でも出てこないかなと、芝生ベースの草むらを歩いていたら、驚いて飛び立った蛾がいた。隣がアスファルトの道路だったので、道路の方に追いかけると、目論見通りにアスファルトの上に止まってくれた。

大きさは、前翅長1センチ。小さいノメイガの部類だと感じた。

種名を調べると、ホソミスジノメイガと判明。

過去の投稿を確認すると、昨年5月24日に我家の外灯下に来た蛾として投稿済みであった。ただ、今回の方が、全然大きく鮮明な写真が撮れたので、再投稿した次第である。

この蛾のネット上の画像を見ると、羽化から日にちが経ち劣化で縁毛が白くなって行くのは、この蛾の特徴と言っても良いと感じた。

幼虫の食草は、コナラからサクラ等まで、たいていの樹木の葉を食べれるようである。

ウンモンスズメ 成虫 Callambulyx tatarinovii gabyae
Bryk, 1946

最近、近隣で、このスズメガの仲間が水溜りで溺れかけているのを見かけて、救出を試みた事があった。

大きさは、前翅長で35ミリぐらいある。

翅の紋様が残っている箇所から、種名を推理していくと、ウンモンスズメという種に行き着いた。

幼虫の食草は、ニレ科のケヤキ、アキニレ、ハルニレと書かれている投稿が多かった。

さて、この蛾がいた近くに、ケヤキやアキニレやハルニレがあるかなと疑問が生じた。基本的に、ケヤキは人為的に植えられた公園や会社の敷地や古くからある大きな農家の敷地等に生えてるイメージだが、近くにあったかなという記憶がある。ハルニレは、どんな樹木か私も知らない。アキニレも、近隣では人為的に植えられるイメージだが、近隣に溢出してなくはない。

こうなると、同じニレ科のエノキやムクノキは、鳥の糞経由で発芽するのか、近隣にはごまんと生えている。

個人的には、エノキやムクノキで、幼虫が育ち上がって来ている可能性も視野に入れたい。

最後に、一応、救出後の写真を以下に。

水面で暴れて、翅の鱗粉が殆ど落ちてしまっているのが見てとれる。蛾は、翅に紋様が描かれているわけではなく、あくまでも粉が紋様を形成しているのが分かる。

救出した個体の子孫達に、また何処かで出会える事を祈って……。