ハンノトビスジエダシャク? 成虫 Aethalura ignobilis (Butler, 1878)

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾のひとつである。

大きさは、開張サイズで30ミリ弱ぐらい。

一目見た時の印象が、この手のグレーのシャクガにしては、軽量級だなというものだった。

そして、前縁に並んだ黒い斑以外は、あんまり肉眼では横線が見えない薄いグレーの蛾だなとの印象を持った。

上の写真は、出来るだけ横線が見える写真を選んだが、光源を当てて撮ると、以下の写真のように前縁に並ぶ黒い斑の列以外は、目を凝らさないと無紋に見えてしまう。

こうした特徴から種を探すと、ハンノトビスジエダシャクが臭いなと思った。小さめのサイズと、前縁に並び目立つ黒い点の列等が合致する。あとは、腹部の中央の2個並ぶ黒点が2段ぐらい見て取れるのも特徴のような気がしている。

幼虫の食草は、ハンノキの類とのことである。高地だとシラカバとかだし、低地だとヤシャブシとかになるのかな。我家の周りでも、湿地周りには、ハンノキの類は自生している。(真剣に種を調べたことがないので、どんなハンノキが生えているのかは知らない)

一応、1枚目の写真で、触角が櫛髭状なのが、ちらっと見え隠れしている。

フタジマネグロシャチホコ 成虫 Neodrymonia delia (Leech, [1889])

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾のひとつである。

一瞬で、大きい方だなと感じたが、実際の前翅長は2センチぐらい。ふっくらこんもりした体型が、この蛾の大きさを助長させている。

我家の外灯下では、最近数回ほど、ウスベリケンモンというやはりふっくらした蛾に出会っていた事もあり、ヤガ科のケンモンヤガ亜科辺りから探し始めるが、妥当な種を見つけれず、少し途方に暮れている時に、頭部から肩部にかけてが特徴的だった事に着目してみる事にした。

横から見た翅のシルエットと、フサフサの毛が付いた前脚を前方に伸ばして止まっている姿から、「そうか」と閃き、シャチホコガ科を当たると、フタジマネグロシャチホコとオオネグロシャチホコという2種が候補に上がった。

紋様的にもフタジマネグロシャチホコが臭いかなと思ったが、2種の食草の違いも種の特定の考慮に入れた。フタジマネグロシャチホコの幼虫の食草はサワフタギ……一方で、オオネグロシャチホコの幼虫の食草は、ヒメシャラやナツツバキ。

ヒメシャラやナツツバキは、一昔前の庭木人気で、近所の住宅に植わっていることはあっても、私が暮らすような平地の自然下には存在しないぞと思った。逆に、サワフタギは、標高20-30メートルぐらいの低地の雑木林から、少し離れた山の標高400メートルぐらいまで結構お目に掛かれる落葉低木である。(標高200-300メートルぐらいに沢山ある気がして、当然ホタルガ達の楽園になっている。)

こうなって来ると、上の写真の個体は、フタジマネグロシャチホコかなと考える。

ちなみに、ネット上で、投稿の中に灯に遅い時間帯に飛来する種との記事がを見つけたが、愚然かもしれないが、昨晩、本種と出会ったのは、何か未だ昆虫達が現れないかと就寝を引っ張っていた深夜0時過ぎだった。

灯に蛾達の現れる時間帯……この視点は、個人的にノーマークだったが、今後は、その視点も頭の片隅に入れて、外灯下に集まる昆虫達の観察を続けて行きたい。