エゾハルゼミ Terpnosia nigricosta (Motschulsky,1866) 標高1400メートル 長野県

先週末、一泊で長野県に行く機会があった。宿泊先は、標高約1500メートルに立地していた。

近隣を散策する中で、このセミを見かけて写真に撮っていた。

エゾハルゼミのオスだと思われる。

上の個体は、大きさは小さくて、ツクツクボウシと同じぐらいのサイズかなと感じた。

そもそも、私が育ってきた環境だと、5月にセミが見れる事自体が異変であり、日常では起こり得ない事である。自分の中でのセミと言えば、夏の風物詩である。

では、5月に早くも現れるセミを調べてみると、一般的には、標高1000メートル以上の山地で見られるエゾハルゼミという種だと分かった。ここで、重要なのは、あくまでも気温帯であり、気温が低くなる東北や北海道地方では、ある程度低所にも現れるんだと思う。

さて、この初めて見かけたエゾハルゼミという種に、自分の現在暮らしている環境で一番近い外見をしているのはヒグラシかなと思った。確かに、ヒグラシも、6月の終わりぐらいから鳴き始める時はあり、平地のセミの中では鳴き始めが早い方だと思う。ニイニイゼミ然り。また、エゾハルゼミの鳴き声を聞いたが、ヒグラシと似てなくはない気もする。ヒグラシとエゾハルゼミは、属の一つ前で、ホソヒグラシ族という同じ族に所属していることも知った。

ところで、同じような高地には、2ヶ月ぐらい遅れて、エゾゼミやコエゾゼミという種が現れるのも、昨年知った。こちらの低い気温を好むセミ達は、また別のグループに属するようである。

ちょっと、セミ達のルーツの違いが、少しづつだけど分かって来た気がする。

最後に、別の場所でも、エゾハルゼミと思われる写真を撮っていた。この個体も地表近くにいた事を考えると、ちょうどエゾハルゼミの羽化の時期なのかなとも考えたい。

こちらは、メスなのかと考えたいが、先の写真の個体より大きかった記憶がある。オスの方が大きく見えるらしい。

ネモンシロフコヤガ 成虫 Sugia idiostygia (Sugi, 1958)

三日前に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

 

前翅長15ミリぐらいだったと思う。

調べたところ、スジシロコヤガと似てると思ったが、スジシロコヤガの目撃場所が高地に集まっている事に気が付いた。こうなると、今回の目撃場所のような平地の標高25メートルぐらいの場所にもいるであろうかとの疑問が生じた。

そして、ここで、ネモンシロフコヤガという似ている種が存在している事を知った。(過去にも、我家の外灯下で似たような蛾を見ていた記憶があったので、過去の投稿を確認すると、ネモンシロフコヤガは不鮮明な写真で投稿済みではあった。)

ネモンシロフコヤガの特徴として、中央下部の白い横条が、片方づつ横に寝かせた数字の3みたいに見えるという点を知った。すかさず、スジシロコヤガのネット上での画像を確認すると、この白い横条が真っ直ぐである事を見てとった。この時点で、スジシロコヤガが外れた。

標高1500メートル付近で目撃されているスジシロコヤガが候補から外れてくれたのは、私個人的には、嬉しい方向であった。

スジシロコヤガの多くの投稿で、幼虫の食草は、クマザサと書かれていたが、平地の似た雰囲気の種のネモンシロフコヤガの幼虫の食草も、ササ類なのではと類推したくなった。

ちなみに、白い横筋がクッキリ見えるのは雄の特徴であり、雌は、ボヤけて太い帯みたいに見えると書かれている方がいた。これは興味深い情報で、ここがボヤけた個体を、シロフコヤガとして、過去に投稿していた気もしてきたので、このテーマに関しても、今後、慎重に、ネモンシロフコヤガのメスではないのか等を見抜いていきたく考える。

クロスジシロヒメシャク? 成虫 Scopula pudicaria (Motschulsky, 1861)

三日前に、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

この日の記憶では、開張3センチと言いたいところを抑えて、実際正確には、27ミリぐらいなのかなと目測したのを覚えている。

特徴としては、この手の似通った蛾達の中では、黄色でも灰色でもなく、翅が白に近いと感じた。あとは、写真を見て分かった事だが、翅の極小の散りばめられた点が疎で少ない印象を持った。

うーん。確証はないが、クロスジシロヒメシャクという種が近い気がした。ただ、クロスジシロヒメシャク自体が、ネット上にそれほど情報が多くなく、まだまだしっかり特徴が確立されていない種の気もしたが……。

一応、クロスジシロヒメシャクの幼虫の食草は、バラ科のワレモコウ との事である。ワレモコウ は、近隣の小川沿いとかで見かける植物で、近所にないとは言い切れない。

さて、過去に、似たような蛾をヤスジマルバヒメシャクというタイトルで投稿している事を、先ほど、確認した。この手のヒメシャクに関しては、種名を確証するには、もうちょっと自身でデータを積み上げていくしかないと感じる。次会えるのは、いつであろう。