キシタホソバ 成虫 Eilema aegrota (Butler, 1877)

最近、近隣で、この蛾を見かけて写真に撮っていた。この場所の壁には、2匹が止まっていた。ただ写真を撮るには、位置が高過ぎる。

車にあった長い棒で、少し刺激してみることにする。(この方法は、同じヒトリガ科の〜ヒトリという蛾達には有効である。擬死する習性で落下して来るからである。)

高いところに見える蛾も、〜ホソバと名に付くタイプで、同じヒトリガ科に属するのは知っている。果たして、擬死して落ちてくるのであろうか?

1匹目を刺激すると、びっくりした勢いで慌て彷徨いながら、より高い位置に止まってしまった。

2匹目を刺激すると、びっくりした勢いで慌て彷徨いながら、今度は地面に降って来た。こうして移した写真が以下である。

大きさは、前翅長17ミリぐらいだったと思う。

これだけの情報と、写真から得れる情報だけだと、種に辿り着くのは無理だったと思う。

ここから、本日の幸運がスタートするのだが、思い切って摘んで腹部を観察してみようと考えた。運良く暴れられずに摘めた。その際に、運良く、下翅(後翅)が、チラッと見えた。黄色と灰色を混ぜたような燻んだ黄色(まさに上翅の縁取りのような色)をしていた。

こうなって来ると、サイズと、下翅が黄色いという事実(黄下)から、キシタホソバという種を選んでみたくなった。

ただ、他の似たような紛らわしい種の下翅の色も、黄色っぽい予感はしてるんだが………。

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この投稿をし終えた後に、キシタホソバの投稿を既にしていることに気が付いた。その投稿の中で、キシタホソバの幼虫と思う蛾の幼虫の写真を載せている。

ちなみに、その幼虫の写真を撮った場所と、今回のキシタホソバと思いたい成虫を撮った場所は、そんなに遠くない。

モンシロチョウ 蛹 Pieris rapae (Linnaeus, 1758)

最近、近隣で、10メートル四方ぐらいの壁面に蝶の蛹と思われるものが、沢山付いている現場に出くわした。

その場は、たまに訪れるので、シーズンを通して、サナギが沢山ぶら下がっている壁面では無い事は知っている。

色が違う蛹を以下に、もう一枚。

蛹は調べたところ、モンシロチョウのものだと分かった。少し自信はないが、おそらく下の蛹の方がステージが進んでいるのではと思う。

この日、壁面の手の届く範囲に5個ぐらいの蛹が付いていた。中には、その直後の学びで知ったのだが、蛹化する前に寄生していたアオムシコマユバチの幼虫達が蛹になる手伝いをし、傍に寄り添うモンシロチョウの幼虫もいた。

その数から考えると、健全が5に寄生が1。寄生しているアオムシコマユバチにしてみれば、自らの数が増えていけば自ずと寄生する寄主が減って行くことに繋がる事は肌(勘?)で知っているんだろうと思う。ゆくゆくは、自分達の存続にも影響が出るはずである。どういうバランス調整を学んでいるんだろうか。気になる。

アオムシコマユバチ 蛹 Apanteles glomeratus LINNE

最近、何かしらの幼虫の側に、黄色い卵のようなものが沢山ある光景を目にした。

幼虫の大きさは1センチ。幼虫が卵なんか産むわけないし、何をやってるんだろうと気になった。

幼虫は、調べたところ、モンシロチョウの幼虫と分かった。(モンシロチョウの幼虫って、こんなに毛が生えてるんだと知った。)

同時に、黄色いものの正体も学んだ。モンシロチョウの幼虫の体内に寄生していたアオムシコマユバチの幼虫が這い出して来て蛹になったものだと。

蛹を取り囲む黄色い糸も、モンシロチョウの幼虫自体が出して、作った物だと知った。

アオムシコマユバチの幼虫に体内の養分も与え、幼虫が体外へと出てきて蛹になる際には、モンシロチョウの幼虫が、黄色い糸を出して、アオムシコマユバチの蛹の繭を守ってあげるとは………なんとも、不思議な行動だが、アオムシコマユバチの幼虫達は、モンシロチョウの幼虫の脳も支配してしまっているのだろうか。

自然界には、こうした関係は多いが、人間も、目に見えるものから目に見えない原虫や細菌やウイルスに至るまで、脳に侵入され、人間の行動や性格を変えてしまう事は有り得ると思うし、実際、あるのではないだろうか。

人間含む自然界には、まだ知られていないことや、気が付かれていない事がたくさんあるはずである。