タスジコウガイビル?

最近、このコウガイビルを、短い期間に2回見かけている。

1回目は、1週間ぐらい前に家の近所で、雨が降る中、夜にヒダリマキマイマイという大型のカタツムリを見つけに行った時に、クズかなんかの藪を眺めていると、葉の上にトグロを巻いているのを見つけた。

ラッキー……新しいコウガイビルを見つけたー……みたいな感じで、その時は、乗っかってる葉と一緒に持ち合わせていたプラケースに入れて、持ち帰ったのだが、翌日の帰宅後に、ゆっくり観察しようとプラケースを覗いてみると、どこにも姿は無かった。ただ葉の上には、微かに固形物みたいなものが見て取れたので、おそらく、このコウガイビルが乾燥して縮まった亡骸なんだと解釈した。

今回は、浅い綺麗な水が流れる水路に戯れるエビ類や小魚を眺めていた時に、水路内に、このコウガイビルがいる事に気が付いた。

そして、水路に降り立って撮った写真が以下のものである。

なんだ……オオミスジコウガイビルだと思われた方もいるかと思われるが、オオミスジコウガイビルを何匹も見て来ている身としては、この個体は、オオミスジコウガイビルではないと感じた。

どこが違うかの理由を以下に述べていくと……

✴️ 写真だと分かりづらいが、現場では、2回とも色合いがオオミスジコウガイビルよりも薄白っぽい。と感じた。

✴️ 一応、3本の筋が見えるのだが、オオミスジコウガイビルの三筋は、もっとくっきり鮮明で、尾の方まで筋が続いている。この個体の尾の方では、筋は目立たなく見えないに近い。またオオミスジコウガイビルの三筋は、本体背部の中心に寄っている気がする。

✴️ 近隣でオオミスジコウガイビルをよく見かける場所は、高木の雑木林がありながらも、人工建築物等が多数ある日陰の多い場所である。一方、このタスジコウガイビルと思いたいコウガイビルが居た場所は、2回とも、田園地帯のど真ん中であり、イメージは乾いた開けた場所も多い場所である。

✴️ オオミスジコウガイビルは、発見日みたいな暑い日の日中に人目に付くような場所に現れるヘマはやらない。タスジコウガイビルと思しき個体との1回目の遭遇は夜だったが、気温が低い日では無かった。オオミスジコウガイビルが活動的になるには、夏のかなり気温の低い日が条件のような気がする。またオオミスジコウガイビルが地表以外の所の葉の上などにいるのを見たことがない。

以上のような事から、私は上の写真の個体は、オオミスジコウガイビルでは無く、タスジコウガイビルという種類ではないのかなと思った。タスジコウガイビルのタスジは、漢字で書くと多筋で、本来はサイド側に、もう一本づつの線が見えるのだが、上の写真でも薄らとサイドに線が見えてたりはする気がする。

さて、話が変わるが、このタスジコウガイビルと思われる写真の個体が、発見時に何をしていたのか気になり始めた。

というのは、上の写真を撮った後に、木の枝で、水中から引き上げて、他の石の上に乗せて撮った写真が以下のものである。

身体が半ば溶けていて、どんどんと分裂しそうな勢いなのである。勿論、分裂した箇所は、細い方が頭なのか、細い方を先頭に普通に動き出すのである。

コウガイビルには、卵生の種類もいれば、分裂増殖の種類もいれば、おそらくミックスのパターンもあるのだと思うのだが、このタスジコウガイビルは、卵生ではなく分裂増殖のコウガイビルと書いてあった投稿を読んだことがある。

とにかく、この日のこの現場が、このコウガイビルの何のステージに当たるのかは憶測の域を出ないが、あまり詳しくは生態が突き止められていないのが、コウガイビル一般の世界であるとの認識を持ち始めてもいる。

今後も、近隣で何種類かのコウガイビルに遭遇し続けるとは思うので、少しづつこのコウガイビルの仲間の知られざる生態に近付いて行ければなと思う。

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2021年7月16日追記

本年の3月22日に、タスジコウガイと思われる個体の写真を撮っていたのを思い出した。

田んぼ脇の木の板の下に居た。

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2022年5月29日追記

最近、とある雨の日に、タスジコウガイビル達が、壁面に大集合してた日があった。

良かったら、タスジコウガイビルの不思議な習性というタイトルで投稿しているので、そちらもご覧になってください。

オオホシカメムシ 

近隣の竹林の林縁で発見。

竹林に居るというよりは、竹林から無造作に生えて来ている一本のシラカシの幼木に大量に付いている。

今年の春先にとても似た紋様のカメムシで、ヒメホシカメムシという種の投稿をしているが、今回のカメムシは、紋様のパターンは凄く似ているが、大きさが全然違う。

明らかに、全然大きい。どれも体長で2センチぐらいあり、結果、細長いカメムシに見える。

故に、この辺から類推すると、オオホシカメムシという種であるという結論に至るのが妥当な気がする。

実は、少し前にも、別の場所で、オオホシカメムシかヒメホシカメムシか区別に苦しむ個体群が居て、種を同定できないでいた。その時、多数発見した場所は、花穂がまだ残る大きなアカメガシワの直下で、オオホシカメムシやヒメホシカメムシの成虫がアカメガシワの花穂に集まるという習性は、確かにと頷けられたのを覚えている。

ただ、今回の個体群は、明らかに大きい。様々なカメムシの中でも大きい部類に入ると思う。

そして、今回は、辺りを見回してもアカメガシワは見当たらない。ひたすらに、シラカシの幼木に集まっている。

少しくすんだ赤色だけど、大きいとそれなりに、格好良くて、家に持ち帰って来たくなるカメムシであった。

最後に、恒例のカメムシの匂いチェックをしたが、完全な無臭に感じた。

キオビツチバチ

昨日、仕事先で地面にハチの死骸が落ちているのが目に留まった。

万一、刺されないように、確実に息絶えているのを確認して、一瞬で拾い上げて写真に撮った。

名前は、比較的直ぐにキオビツチバチと判明。大きさは、雄と雌で差があるが、平均20ミリを超えるぐらいのサイズのハチである。

このキオビツチバチの習性として、コガネムシの類の幼虫に産卵して、キオビツチバチの子供達はコガネムシの幼虫を少しづつ食べながら成長するというのがある。

そして、このキオビツチバチは、産卵したコガネムシの幼虫を逃げれないような自らの巣穴に連れ込むタイプではなく、場所を選ばずコガネムシ類の幼虫を見つけると、自ら土中に潜り(?)、産卵して、後は自然に任せるというタイプである。

昆虫達の生活を眺めていると、たまに弱肉強食の世界で捕食者に被捕食者が短時間で食され絶命して行く瞬間を目の当たりにしたりするが、ジワジワと内部を蝕まれて最終的には絶命させられるという様式も有る事を知る事になる。

ただ、とても残酷な寄生の習性のようだが、自然下でコガネムシの類に出会う機会よりは、このキオビツチバチに出会う機会の方がずっと少ない気がする。

言い帰るなら、あまりに増えすぎて、己の餌となるコガネムシの仲間が減ってしまうのは困る事を本能的に知っているのではとも思いたくなる。

今しか考えない人間……今取っている行動や考え方が将来どういう結果をもたらすかを予測出来る力(本能)を開拓する時代が始まりつつあると思う。