ニガナ

花期の旬を等に越してしまっているが、6月頃に趣ある風情で黄色い小花を咲かせるサラサラっとした植物の投稿をしてみる。

名前は、ニガナ。

既に、近似種のイワニガナ(ジシバリ)とオオジシバリの投稿をしているが、その過程で、このニガナなる植物の存在を知ったわけだが、ジバシリもオオジバシリもお気に入りの花と感じている身としては、前々からこのニガナという花に出会ってみたいという気持ちがあった。

そんな折、春から初夏へと季節が移り変わる頃に、直射日光を避けれるような雑木林で、時々ポツリポツリとだが、膝丈ぐらいの高さの細茎に黄色いサッパリとした小花を咲かせる植物を見かけていた。

花色と花の形から、これがニガナでしょといった予感はしたが、予感通り、その植物がニガナであった。

近隣で出会ったニガナの印象としては、あんまり生えていないというのがある。他の方の紹介の投稿では、道端、草地に普通に見られると書いてあるものも多かったが、私が見かける限り、コナラやクヌギ混じりの少し木漏れ日が入るような明るめの雑木林内でしか出会ったことがない。しかも、ポツリ、ポツリと、ひっそりとしか咲いていない。

上のニガナの写真は、結構レアなケースで、かなり群生している方だと思う。

このニガナ……私は、好みの植物である。まだ夏真っ盛りとなる前で、暑さを気にすることなく余裕を持って自然を眺めれる季節に、あの長めの細茎の頂部の方に黄色いシンプルな小花を遠慮がちに咲き散らす姿はには、風情を感じる。

ただ、欲を言えば、無秩序な他の植物との混成の中でではなく、家の庭で良いので、半日陰となるような場所の木陰に少しニガナだけを群生させて見てみたいとの願望がある。

どんな景色になるんだろうか……悪くないと思うのだが……。

オカトラノオ

6月の半ば辺りから7月の頭にかけて、この白い花帆を垂れ下げる中大型の植物を目にしていた。

と言っても、身近な自然を根気よく注意深く観察していないと、この白い大きな花穂を持つ植物には気が付かないはずである。

見過ごされてしまう理由は、近隣ではそもそも個体数が多くないのと、この植物が好む環境に生えるセイタカアワダチソウやクズといったいった大型の多年草の影に埋もれて、殆どその全形を人目に晒してくれている事がない事があると思う。

ただ、もしこの植物の群落みたいなものに遭遇したら、それなりの感慨をもたらしてくれて、毎年見てみたいとの気持ちを人に起こさせるのにと想像する。

名前は、オカトラノオ。

桜の園芸種にも、虎の尾(トラノオ)と名付けられたものは幾つかあるが、昔の人が虎を名前に使っている辺りで、昔は、もっと敬意を持って、愛でられていた植物なのかなと思いたくなる。

荒れ果てたクズやセイタカアワダチソウの草原から、救い出してあげたい日本の里山の景色や雰囲気にマッチしそうな植物の一つである。

アカネ

数日前に近隣で見かけ写真に撮っていた。

現場でふと偶然茎を触ったのだが、かなりのザラ付き感があった。

調べると直ぐにアカネという蔦植物に辿り着いた。特徴として、四角い断面の茎を持っているということだが、写真も拡大してみると確認できるのだが、茎は四角ぽかったのを覚えている。

さて、このアカネという多年生植物の根は染料の原料になるとの事である。赤色の一種である茜色も、このアカネという植物から出来上がる色を指してているとのことである。

そして、アカネという名前は、染料の原料になるこの植物の根が乾燥すると赤い事から来ているとの事である。

古来より、万葉集に含まれる和歌にも茜の単語はよく使われて来ていている事からも、今より遠い悠久の昔の時代の方が、人々に馴染のある植物であったのは間違いないはずである。