マダラマルハヒロズコガ 蓑(幼虫 or 蛹) Gaphara conspersa (Matsumura, 1931)

最近、地上に掘り起こされ数年放置されている大きな樹の根っこを、ひっくり返してみたことがあった。(日頃からよくやってる事だが……)

この日は、その下から勢いよく飛び出して来た物体が居て、その森でよく見かけるカナヘビかとも思ったが、下草に見え隠れする姿がどうもズングリしている。目を凝らして見ると、野ネズミの一種だと分かった。

その日は、手のひらに収まるようなコンパクトな網を持っていたので、その野ネズミが次の移動から小休止に入った瞬間に掬える自信があったのだが、その野ネズミは、次の移動先で忽然と気配を消した。

なんちゃない。姿を消した場所を見に行くと、地中に繋がる穴があった。

話が脱線したが、マダラマルハヒロズコガに戻すと、そのネズミの追いかけっこの前にひっくり返した大きな樹の根っこを観察し始めた際に、目新しい生き物は見つけられなかったのだが、以下の得体の知れない薄っぺらい物体が目に入った。

過去に何かしらの昆虫の幼虫が穿孔した穴というかスポットの中に、2個入っていた。それを、その場の小枝でほじくり出して写した写真が上のものである。

写真を撮った理由は、この物体が、何かしらの昆虫の痕跡である事を知っていたからであった。現場では、分からなかった。

後で調べたところ、マダラマルハヒロズコガという2センチ前後の蛾の蓑である事を知った。

この中で、幼虫時代と蛹時代を過ごすようである。手に取った感じでは、中からの生物反応は感じられなかった。また、平べったい物体であり、中に何かが入っている凸凹感も感じられなかった。

今度、同じものを見つけた際には、少しだけ中を覗かせてもらおうと思う。