クロイロコウガイビル 捕食中 Bipalium fuscatum (Stimpson, 1857)2

我家の庭で、毎年、クロイロコウガイビルには出会うが、先日、ちょうど何かを捕食中の個体に出会った。

何となく捕食されているものも想像は付いたが、確かめるために、棒で突くと、結構な速さで、その場を後にしたが、食べられていたのは、以下の生物であった。

想像していた通り、小さなカタツムリであった。

ここで気が付いたのは、クロイロコウガイビルの口は、真ん中より少し後ろだったのと、飲み込むというよりは、溶かして養分を吸収する系かという事であった。

餌があるから集まる生物達………殆どの人が目を向けず、気が付かないだけで、自然下には、生態系がある。そして、常に変化している。

コガネムシ Mimela splendens (Gyllenhal, 1817) 2

10日ぐらい前に撮った写真であるが、本物のコガネムシの投稿をしようと思う。

毎年、この時期に、田んぼの畦とかで見られるとても光沢の綺麗な甲虫である。

光沢が鏡ばりで、写真を撮っている自分自身が映り込んでいる。

大きさは、体長18ミリぐらいであろうか。

種名は、コガネムシ。

出現は、ちょうど今時分のコガネムシの仲間である。近隣で、これからのシーズンに現れる似たような甲虫には、アオドウガネカナブンサクラコガネ、ヒメスジコガネ、マメコガネ(?)等があるかもしれないが、文句無しに一番シンプルにピカピカ🌟の種かもしれない。一応、緑以外に赤紫の光沢のもいたりする。

しかし、現実のところ、大概の人は、この昆虫と似た種(実際は随分と違う)との区別が出来ないで、近年のネット情報では、一括りにコガムシ=害虫のイメージが、人々の脳裏に最初に焼き付く流れが出来てしまっている。

理由は、一理あって、こうした植物の根や葉を食する似た種が、コガネムシ科という科に属していて、正確な種名が分からない時に、人々がコガネムシの仲間というような言葉の使い方をするからである。

では、この正真正銘のコガネムシはと言うと、似た種で大量発生を時々見かける種達とは違って、近隣では、結構、6月の短い期間に、運が良ければ出会えるみたいな地味なイメージの種である。

ネット上では、桜を始めた広葉樹を食害すると書いてあったり、灯火にもよく飛来すると書いてあったりするが、私は、桜で出会った記憶はない。もっぱら、田んぼの近くの密集した藪とかで見かける事が殆どである。また、灯火への飛来に関しては、我家の外灯下では見た記憶がない。我家から一番近いコガネムシのポイントまでは、4、5百メートルといったところであろうか。

ところで、この甲虫の国外での分布状況が気になり、調べたところ、韓国と日本に集中していた。また、国内でも、東北や北海道には少ないような傾向も読み取った。

サトユミアシゴミムシダマシ (ユミアシゴミムシダマシ)Promethis valgipes (MARSEUL,1876) 2

この昆虫も、最近見かけて、写真に撮っていた。

その日の出会いは、半枯れの桜の木を眺めている時から始まる。何か虫でも居ないかなと近付いて見ていると、樹皮の間に顔を突っ込み何かをしている黒い甲虫が目に飛び込んで来た。

こうなったら、引っ張り出して、正体を確認させてもらいたくなり、引っ張り出した。

大きさは、体長で2センチをちょっと超えるぐらいではなかったであろうか。

そして、この虫は、何だっけの無言の凝視の時間が少しあった。暫くして、「あぁ、ユミアシゴミムシダマシかぁ。」と心の中で呟く自分が居たが、少し間があったのは、近隣で時々出会うユミアシゴミムシダマシにしては、小さめであったからであろう。

樹皮の下に顔を突っ込んで、モゾモゾやっていたから、さぞかし立派な顎で木の幹を掘っていたのかと見てみると、予想を反する貧弱さである。科は違うが、似たような黒いゴミムシ達の顎というか牙の機能性とは、違う方向である。

理由は、ゴミムシの仲間達と違って、植物質のキノコとかを主に食べているからであろう。同時に、動きのない餌を捕食していることから、敏捷性も少し衰えた可能性も無きにしもあらず。

このユミアシゴミムシダマシは、国内でも生息している地域によって、微妙な差異がある個体もいるようで、それぞれに学名が付いているみたいである。

最後に、こうした地表徘徊性の甲虫が飛べるのか否か(飛翔能力)に関してであるが、今回の個体はどうなのであろう?

飛べなそうな気はする。科は違うが、マイマイカブリなんかもそうだが、上翅が左右くっ付いている(くっ付いていても、下翅だけで飛べると思うが)ように見える種もいるし、上の個体も、上翅が左右にパカっと開きそうな気はしない。

そうなって来ると、上の写真の個体の尾部の方で下翅が見えているのは、現場でも気になっていた事であった。閉じようと思えば、上翅を綺麗に閉じれるのか、それとも空きっぱなしなのであろうか、空きっぱなしの場合は、その形質は遺伝するのであろうか。

今度、近隣でユミアシゴミムシダマシに出会った時の観察点というか宿題をいっぱいくれた出会いであった。