ナワキリガ 成虫 Conistra nawae Matsumura, 1926

最近、近隣でこの蛾を見かけて写真に撮っていた。

大きさは、前翅長20ミリぐらいだった。

種名は、ナワキリガだと思う。ナワキリガの幼虫の食草として挙げられているブナ科の常緑のアラカシをシラカシに置き換えるなら、まさにシラカシの森みたいな場所で見つけた。

しかし、時期が合わないのである。この蛾は、成虫越冬するような蛾であり、秋の暮れに現れ、成虫で越冬して、翌年の4月ぐらいまで見られる蛾である。

今は6月も後半。

その時、繋がった!「あなたが、手に乗せている蛾は生体ですか?」と自問自答してる自分がいた。そうだ、この蛾は、自動ドアの溝の一番端に落ちていた死んでいた個体であった。

要は、この写真の個体は、数ヶ月前にお亡くなりになった個体かと思われ、これならシーズンのズレも頷ける。

常緑のブナ科カシ類を食する蛾(もちろん、ブナ科落葉樹もいけるはず)なので、生息分布も暖かい西日本と考えられる。ゆえに、関東以西……南西諸島まで。海外の分布は、ちょっと分からず。

キスジコヤガ 成虫 Enispa lutefascialis (Leech, 1889)

先ほど、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長9ミリぐらいだったであろうか。

種名は、ヤガ科ベニコヤガ亜科のキスジコヤガ。

幼虫の食草は、地衣類であり、幼虫自体も、地衣類を纏いながら生活をするようである。

ここでピンときたのだが、家の壁に、地衣類を纏った緑色の蓑虫がぶら下がっていたのを思い出した。もしかすると、この蛾の蛹だった可能性があるなと思い始めている。

ケブカトゲアシヒゲボソゾウムシ(旧名 リンゴコフキゾウムシ)Phyllobius(Odontophyllobius) armatus (Roelofs, 1879 )福島県 標高1100メートル

先週末に、家族が山登りにお友達と行くというので、私は、一行を登山口で下ろし、下山口で拾うという完全な運転手の役を買って出た。

買って出た理由の一つは、登山口も下山口も標高は1000メートルぐらいあり、待ってる間の5時間(結局は7時間)は、自由に自然観察やイワナ釣りが楽しめるからである。登山一行もスタート地点に戻ってこないコースが取れる事を喜んでくれる。お互いの利害が一致した。

想像以上に豊かな生態系であったが、先ずはこんなのもいた。

大きさは、体長8ミリぐらい。

直ぐにゾウムシの仲間なのは分かったが、種名は、クチブトゾウムシ亜科に属するケブカトゲアシヒゲボソゾウムシである。

本種は、この一帯に沢山いた印象であるが、各種紅葉樹の葉を食べるようである。

さて、旧名のリンゴコフキゾウムシからケブカトゲアシヒゲボソゾウムシに種名が変わったとの事で、インターネット上には、リンゴコフキゾウムシの名で本種を紹介しているサイトも多いが、私は、ケブカトゲアシヒゲボソゾウムシの方が、合理的な名前で好きである。

先ず、ケブカの部分は、毛深であり、トゲアシの部分は、棘脚で、前脚腿節の内側に突起があるのである。以下に、それが見て取れる写真を貼り付けておく。ヒゲボソは、髭細で、写真を見ると、確かに微妙に細い気はする。

生息分布は、北海道から九州辺りまでであろうか。海外の生息分布は、ちょっと分からなかった。