先週末に、家族が山登りにお友達と行くというので、私は、一行を登山口で下ろし、下山口で拾うという完全な運転手の役を買って出た。
買って出た理由の一つは、登山口も下山口も標高は1000メートルぐらいあり、待ってる間の5時間(結局は7時間)は、自由に自然観察やイワナ釣りが楽しめるからである。登山一行もスタート地点に戻ってこないコースが取れる事を喜んでくれる。お互いの利害が一致した。
想像以上に豊かな生態系であったが、先ずはこんなのもいた。
触角は入れないで翅端までの全長で25ミリぐらいだったと思う。ちょうど、近隣の平地で見かけるヤマトシリアゲと同サイズである。
シリアゲの仲間なので、特徴的な嘴の部分が写る写真を以下に。
他にも、こんなのもいた。
別角度からのをもう一枚。
帰宅後に調べたところ、別種ではなく、どちらもスカシシリアゲモドキというシリアゲの仲間である事が分かった。
色の違いを説明すると、オスは、下の写真のような単色のものしか存在しないようであるが、メスは、下の写真のような単色のものから、上の黒い写真のような紋様があるもの(この黒いのも、無紋型の可能性あり)が数パターン存在しているようである。
そして、このスカシシリアゲモドキは、高地(亜高山帯)で見られる昆虫との事だが、更なる高地には、短翅型が生息しているとの事である。
ここで、このスカシシリアゲモドキを学ぶ中で、大きな収穫があった。5ma(ma=mega annum)の所謂、500万年前頃に激しい造山活動の中で高地での生活を余儀なくされ、それに適応した種が、今回のスカシシリアゲモドキのような標高の高いところにいる生物の一部であり、ゆえに、日本列島の各地にある離れた独立した山地に、同種が殆ど同じ姿で生息している原理みたいなものが、少し掴めた気がした。同時に、低地を挟んだ山地間での移動が難しい事からか、離れた山地に、ほぼ同じ姿の生物が現在も生き続けて来れているのかと、勝手に解釈し始めている自分もいる。
そう考えると、10万年前ぐらいにテクテクと日本列島にやって来た人類なんかより、遥か遥か前から日本列島には、生物が生活していたんだと、先輩生物達への畏敬の念を再確認する事になるのが普通の流れの気がする。