ヤマブキショウマ Aruncus dioicus (Walter) Fernald var. kamtschaticus (Maxim.)  H.Hara 福島県 標高 800メートル

先週末に、家族が山登りにお友達と行くというので、私は、一行を登山口で下ろし、下山口で拾うという完全な運転手の役を買って出た。

買って出た理由の一つは、登山口も下山口も標高は1000メートルぐらいあり、待ってる間の5時間(結局は7時間)は、自由に自然観察やイワナ釣りが楽しめるからである。登山一行もスタート地点に戻ってこないコースが取れる事を喜んでくれる。お互いの利害が一致した。

想像以上に豊かな生態系であったが、先ずは気になった植物を種名に辿り着ける限り、紹介してゆこうと思う。

この植物は、知っていた。ヤマブキのような葉っぱしてるし、ヤマブキショウマと言うんじゃないかとの予想はしていたが、実際にヤマブキショウマである。

どうも、雌雄異株のようで、上の写真のような細い花序は雄株で、雌株は、もうちょっとふっくらとした花序になるようである。

若芽は、山菜としても食べれるようである。

この植物の分布に関しては、日本には、もちろん分布しているのだが、ロシア極東部のかなり北方にも、生えていたり、ヨーロッパにもほぼ同種がが生息しているようである。

寒冷地域の植物であり、涼しいところが好きな植物と理解した。

カシノシマメイガ 成虫 Pyralis farinalis (Linnaeus, 1758)

先ほど、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長13ミリぐらいだった。

紋様のパターン含む雰囲気からメイガ科シマメイガ亜科の蛾であろうとの予測は付いたが、調べたところ、カシノシマメイガと判明。

今回は、一般的な止まり方をしているが、所謂シマメイガ亜科の蛾達に多い、あの尾部を持ち上げて止まるスタイルの時も多いようである。

ところで、カシノシマメイガのカシノの部分だが、エッって思われるかもしれないが、“菓子の“なんだと思う。

というのも、この蛾の幼虫は、貯蔵穀物、菓子、干果、動物の乾燥糞等を食べるとの事である。

さて、この蛾の生息分布なのだが、幼虫の餌が餌だけに、動物地理区なんか関係なく、世界中に拡がっている。まさに、貯蔵穀物の人為的移動と共に拡がったのは明らかだが、これほどまでに世界に拡がった蛾を見たのは初めてかもしれない。

この蛾に限らず、人類の物質文明(特に交通移動手段)の急発展に裏打ちされるグローバル化によって、地域毎の生態系は、目まぐるしい混乱を経験している。

急速過ぎる物質文明の発展と進歩の行く末を予測出来ていない人類……地球時間に身を任せて、ゆっくりと進歩する生物達。どちらが賢い生物と言えるのであろう。

ヒメアカホシテントウ Chilocorus kuwanae Silvestri

最近、近隣で、この小さな甲虫の写真を撮っていた。

大きさは、体長3ミリちょっとぐらいだったと思う。

写真を撮ろうとすると、ちょこまかと逃げ回ったが、おそらく、テントウムシの仲間なんだろうなとの予感はしていた。

テントウムシの仲間を当たると、ヒメアカホシテントウという種なんじゃないかなと思うに至った。

このテントウムシは、カイガラムシを食べるテントウムシとの事である。この個体がいたのは、シュロの葉の上であった。

このテントウムシの生息分布は、GBIFのオープンデータで眺めたところ、日本では本州以南……海を隔てた韓国辺りがメインの生息場所のようである。興味深いのは、北米の西海岸(カリフォルニア州のロサンゼルスやオレゴン州のポートランドの辺り)にも生息報告がある事である。

近隣で時々見かけるとても小さなテントウムシである。