クロハナボタル Plateros coracinus coracinus (Kiesenwetter, 1874)

昨晩、我家の外灯下に来ていた甲虫の一つである。

大きさは、体長8ミリぐらいであった。

種名に辿り着くまでに時間がかかりそうな気がしたが、最近、購入した本が活躍してくれた。

臭い科を見ていたら、それらしき物に直ぐに出くわした。種名は、クロハナボタル。

その本では、触角が太くゴツゴツしている甲虫は、ホタルの仲間である事が多いと書いてあった。確かに、この甲虫の触角も、最近、近隣で見かけたオバボタルの触角も、太めでゴツゴツしている印象は、第一印象で目に飛び込んできていた。以下に、触角のゴツゴツ感が目立つ個体の写真を……。

ここのところ、光はしないホタル達に出逢いながら、久しぶりに、ゲンジボタルやヘイケボタルでも見に行くかと思う今日この頃である。

ただ、行くかとなった時には、シーズンが終わっているのが、毎年の恒例である。

シロシタホタルガ 成虫 Neochalcosia remota (Walker, 1854)

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長25ミリ以上ありそうなサイズである。

ホタルガなのかシロシタホタルガなのか覚えれていないが、両種とも、馴染みのある蛾である。

本種は、シロシタホタルガの方である。 シロシタホタルガのシロシタの意味は、下翅にも白いラインがあるぞという意味だと解釈している。おそらく、ホタルガの方にはないんだと思う。

幼虫の食草は、サワフタギ。時期になると、シロシタホタルガの幼虫が、サワフタギの木に沢山付いているのを目撃することがよくある。サワフタギという木自体は、私が暮らす標高25メートルぐらいの台地上の森から、近隣の山地の標高700メートルぐらいまで、満遍なく生えていることから、氷期も間氷期も生き残ってきた樹木のようなイメージを、個人的には抱いている。

ただ、気になるのは、そのサワフタギが沢山自生した山地で見たのは、写真で確認するとホタルガの方ではある。

ホタルガの方も、近隣の平地でも出会うことが出来て、過去に投稿済みである。

今回、まざまざとシロシタホタルガを見る機会に恵まれて気が付いたのだが、光の当たり方によって、随分と青光りが魅力的な蛾だと思った。まぁ、ミヤマカラスアゲハの青光りには負けるが……。

そして、当然気になるのは、シロシタホタルガとホタルガの関係である。シロシタホタルガの生息分布をGBIFのオープンソースで確認したところ、日本と朝鮮半島(韓国のデータしか反映されないが)と台湾北部に見られた。

一方、ホタルガの生息分布も調べたところ、面白いことに、台湾からの報告が多く、中国南東部からの報告もあり、南の蛾であることが分かった。まぁ、この傾向は、シロシタホタルガが、落葉するサワフタギという木を好み、ホタルガが落葉しないサカキやヒサカキを好んでいることからも、なんとなく結びつく。

こうなって来ると、近所の亜高地に、シロシタホタルガではなく、何故ホタルガが優先的にいたのか突き止めたくなってきた。おそらく、両種ともいて、そのホタルガを見た9月半ばが、ホタルガの季節だった気もするが……。

 

カラムシカザリバ 成虫 Cosmopterix zieglerella (Hübner, [1810])

最近、近隣で、この蛾の写真を撮っていた。

大きさは、体長7ミリぐらいで、とても小さな蛾である。

所謂、キバガの仲間(上の写真の個体も、よく見ると釣り針みたいに反り返った牙が見える)で、カザリバガ科の蛾なんだろうとの予測はしたが、種名未定の種も多い科である。

果たして、種名に辿り着けるのかと思いながら、調べ始めた。案の定、微妙に少しづつ違う紋様パターンで、種名未定の種が沢山居た。

そんな中で、カラムシカザリバという上の写真の個体に似ている種を発見。こうして、この投稿のタイトルは、カラムシカザリバとさせてもらった。

実際のところ、この日、この場所を訪れた目的は、カラムシに集まる虫(ラミーカミキリは確実にいるであろう)でも見に行くかというものだったので、そういう点では、繋がっている。ちなみに、この蛾は、クズの葉をめくったら、居た感じである。その場所には、他には、カナムグラも繁茂しており、所々に、ヨツスジヒメシンクイなんかも見ることが出来た。

さて、この蛾の幼虫は、カラムシやカナムグラなんかを食べるらしい。

ちなみに、この蛾は、ヨーロッパに多く生息している蛾のようである。ただ、ヨーロッパでは、何を食べているのかは、分からなかった。