クロコブタケ  Hypoxylon truncatum (Schwein.) J . H . Mill . 1932

最近、近隣の雑木林で以下のキノコの写真を撮っていた。

雑木林内の倒木や枯枝上で、よく見かける菌類ではあるが、この際、何というキノコか調べてみた。

結果、種名は、クロコブタケというキノコだと分かった。

肉質は固く、食には不向きのようである。

ブナ科のナラ類によく現れるとの事だが、写真に写る木も、コナラの倒木のように見える。

このキノコの分布を眺めると、国内は、北海道から南西諸島まで。その流れで、台湾、フィリピンまで、分布は繋がっている。そして、ニュージーランド、ハワイ、アメリカ合衆国東部……あとは、世界中にところどころ飛び火しているようである。

オオマルガタゴミムシ? Amara gigantea (Motschulsky 1844)

最近、我家の敷地の直ぐ近くで見かけて、写真に撮っていた。

コンビニに歩いて行く途中に、我家から道路を隔てた目と鼻の先にある古木の切り株にいた。引っ張り出して、写真に撮ってみた。

大きさは、体長15ミリちょっとぐらいだったと思う。

捕まえた際の印象だが、顎牙及び顎の辺りが、黒ではなく、赤茶色に見えていた。あとは、複眼の間の幅が広く、複眼も大きめの気がした。

頭部の横幅は、ゴモクムシの仲間っぽいが、胸部背板の雰囲気は、ゴミムシの仲間っぽい。どっちなんだろうと、調べた結果、オオマルガタゴミムシという種ではないかなと思っている。決め手は、顎牙の色と胸部背板の上下がザラザラしているところであろうか。このオオマルガタゴミムシの平均サイズは、17.5ミリ–21ミリぐらいらしいが、上の写真の個体は、17.5ミリはなかった気はしている。

国内の生息分布は、北海道から九州近海まで。海外は、朝鮮半島、それに続くロシア沿海州南部。あとは、中国東部でも確認されているようである。

オオフタホシヒラタアブ?  Syrphus ribesii
(Linnaeus, 1758)

最近、近隣で見かけて写真に撮っていたヒラタアブの仲間である。

大きさは、案外と大きくて、体長17ミリぐらいあったと思う。

随分と冷え込んできたこの時期に、雑木林の林縁で見れるアブの仲間も激減しているが、このアブは、この秋の冷え込んできた時期に目撃できるヒラタアブの気がする。

候補に上がった種は、オオフタホシヒラタアブとケブカヒラタアブがいたが、ネット上での情報や画像を見る限り、この2種の違いや説明を鵜呑みにするのは、慎重になった方が良いと思い、取り敢えず、タイトルの方は、オオフタホシヒラタアブ?の形にした。

おそらく、成虫越冬して、春先にも見ることが出来るタイプのヒラタアブかと思われる。(ネット上では、ケブカヒラタアブに関しては、成虫越冬すると書かれているサイトに幾つか出くわす。)

さて、上の写真の個体を、オオフタホシヒラタアブSyrphus ribesii
(Linnaeus, 1758)
として、世界の生息分布を眺めると、動物地理学的に旧北区には拡がっていて、スカンジナビア半島の北限の方まで、ヨーロッパには濃く生息しているのが分かる。そして旧北区の極東の日本近辺にも居り、ベーリング海峡を渡ったというか、北極圏をショートカットしたり、グリーンランド経由もありで、新北区のカナダやアメリカ合衆国がある北アメリカ大陸の高緯度地域にも比較的濃く生息しているのが分かった。

ちなみに、このオオフタホシヒラタアブに外見が似ている仲間としては、海外のウキペディアでは、ケブカヒラタアブSyrphus torvus (Osten Sacken, 1875)とコガタノヒラタアブSyrphus vitripennis (Meigen, 1822)が言及されているが、全て、同じような世界分布を見せてくれる。

なお、コガタノヒラタアブSyrphus vitripennis (Meigen, 1822)という種は、この通りの和名では日本ではほとんど認識されておらず、和名が変わったか、別種として扱われている可能性も感じる。

以上のような3種の世界分布を眺めた時に、共通しているのは、南半球には基本的に進出していないのである。幼虫は、アブラムシを食べるらしいが、アブラムシが宿る植物の拡がりと一緒だったのか、その拡がり人間が早める手助けをしたのであろうかとか、どのように、世界へと拡がっていったのか、凄く興味深い昆虫だと感じた。