マメドクガ 成虫 Cifuna locuples confusa (Bremer, 1861)

最近、近隣で、この蛾を見かけて写真に撮っていた。

別の個体をもう一枚。

どちらも、大きさは、前翅長17ミリぐらいだったのではないだろうか。

この特徴的な櫛髭状の触角とサイズからドクガの一種の予想は付いたが、調べたところ、マメドクガと分かる。

同時に、最近まで、明るい草地でよく見かけていたマメドクガと思っている幼虫達が、この姿に羽化したのかと繋がった達成感みたいなものも感じている。

幼虫のサイズ(毛の長さが、大きく見せてる気もする)からすると、もっと大きな蛾になりそうな気もするが、きっと、幼虫が着飾って大きく見せてるんだとも思う。

さて、マメドクガの幼虫は、マメ(豆)と種名に入るぐらいで、マメ科の植物、取り敢えず近隣だとクズとかをメインに食べてそうだが、タデ科のギシギシだったり、現実には、色んな植物を食べている現場に出くわす。

この蛾の生息分布に関しては、台湾辺りから朝鮮半島を経て、ロシア南東部までと日本といった具合に、極東アジア全般に拡がっている蛾のようである。

クチブトカメムシ Picromerus lewisi (Scott, 1874)

以下の写真のカメムシは、昨日、家の庭が第一発見場所となるカメムシである。

ちょっと変な表現を使っているのには理由があって、このカメムシは、昨日の朝に近所の散策から戻ってきた際に、車のソファーにいたのである。ゆえに、何処から連れて来てしまったのかが分からないのだが、当日の家の近所の散策場所か、その前の晩のホタル鑑賞スポットのどちらかから連れて来てしまったはずである。

社内のソファーに、このカメムシを見つけた時に、クサギカメムシと思い、手で摘み社外へリリースしようとした時に、指に伝わる触感がフニャッとして平べったく感じた。そこで、?と思い、ちゃんと見た時に、クサギカメムシではない違うカメムシだと気づいた次第である。匂いも、全然酸っぱい系の匂いはしなかった。

種名は、クチブトカメムシかオオクチブトカメムシかで迷ったが、どちらも、区別点は、それほどハッキリと明快なものではなく感じたので、大きさを根拠にした。上の写真の個体を目測した時に、体長で1センチぐらいで思ったより小さいなと感じていたからである。

このカメムシは、肉食のカメムシで、蛾の幼虫等を隠している長い嘴で刺して吸汁するタイプである。近隣では、シロヘリクチブトカメムシという同じ習性のカメムシを知っている。

最後に、このカメムシの生息分布の方は、国内では、北海道から九州までと、国外では韓国、中国の長江沿いで生息報告が上がっているようである。

今まで見たカメムシの中では、一番、肩部側面の棘が鋭い気もした。

ホシシャク 成虫 Naxa seriaria (Motschulsky, 1866).

昨日は、早朝から猛暑の予感がする日であったが、まだ家族が寝ている時間帯に、家の近所を散策してみた。

それとは別に、最近、10日ぐらい前から近隣で見かけて気になる蛾がいたのだが、気になるというのは、種名にどうしても辿り着けないでいた蛾なのである。

そして、昨日は、家の近所でも、その蛾に出会った。どんな蛾かと言うと……。

大きさは、案外と大きくて、前翅長で20ミリ以上はある。

他の場所で撮った個体の写真を以下に。

もう一枚。

翅が薄く、下が透けて見えてるのが分かる。

さて、この蛾の種名に行き着けなかった原因としては、形と大きさから、シャクガ科のエダシャク亜科を先ず当たった、そして、該当種を見つけられなかった時に、今度はナミシャク亜科を当たったことにある。結局、ナミシャク亜科にも、該当種を見出せなかった。

しかし、これだけのサイズでこれだけのメリハリがある紋様を持った蛾が認知されていないわけはないと調べ続けたところ、シャクガ科には、ホシシャク亜科というこの蛾しか所属していない亜科がある事を突き止めた。

そうである。この蛾は、ホシシャク亜科のホシシャクである。

名前からして、エダシャク亜科に属する蛾達は、後半がエダシャクで終わる。ナミシャク亜科もアオシャク亜科もヒメシャク亜科もフユシャク亜科も、同じルールが当てはまる。そして、このルールに則って、ホシシャク亜科の蛾なので、ホシシャクなのである。ただ、他に所属している種がいないので、前置きのないホシシャクで良いのである。

幼虫の食草は、モクセイ科のイボタノキやネズミモチらしい。常緑樹を食草にしていることから、暖かい地域の蛾を予想したが、 GBIFの生息報告のマップを眺めると、北海道にも生息しているし、更に緯度の高いロシア沿海州なんかにも生息しているようである。

北の寒い地域では、何を食べているのであろう。