スジグロキヨトウ 成虫 Mythimna nigrilinea (Leech, [1889])

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾のひとつである。

大きさは、前翅長サイズで18ミリぐらい。先ほど、イネヨトウの投稿をしたが、同じキヨトウ類でも、イネヨトウよりは全然大きい。

前翅の中央を縦に走り後端で裾状に広がりを見せる黒っぽい筋の存在から判断すると、種名は、スジグロキヨトウであろうと思う。

幼虫の食草は、イネ科のヌマガヤとの事であるが、ヌマガヤってどれだって考えてる自分がいる。おそらく、ヌマガヤに限定せずに、水田周りのイネ科植物を食べれるのではと思いたい。

因みに、海外での生息分布を調べたところ、台湾からの報告例が多いのと、オーストラリアの東部での報告例もある。ちなみに、オーストラリアの東部も稲作地帯がある。

先ほどのイネヨトウの投稿文を書いているときに閃いたのだが、このキヨトウの類は、稲作の伝播と密接な繋がりを持った種達の気がしてきた。

面白いテーマが見つかった気がする。

イネヨトウ 成虫 Sesamia inferens (Walker, 1856)

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾のひとつである。

大きさは、前翅長1センチぐらい。小指の先ぐらいの小さい蛾である。

肩のフサフサのボリューム感が特定の鍵になったが、ヤガ科のイネヨトウだと思う。

ダイメイチュウという別名で、稲の害虫としても知られている。

トウモロコシなんかも食べれるとのことであるが、どうなのであろう。というのは、この蛾の世界的分布域を眺めた時に、圧倒的に稲作地域に集中している気がした。インド北部に分布報告が集中している図も見たが、調べたら、インド北部は、西側の地方がとうもろこし産地、東側の地方が米産地で、この辺りに、この蛾の起源がありそうな気もする。

そして、その図がどれぐらい精度を持っているものなのか疑わしいが、九州と朝鮮半島南部にも分布が集中しているのが見てとれた。

ここで気になったのは、中国の長江流域で約7000年前に稲作文化があったと考えると、そこから隣接地域に浸透して行き、5000年ぐらいの時を経て紀元前300年頃には日本にも稲作文化が到達して来ていると言われているが、この日本への稲作の伝播と一緒にイネヨトウも日本へやって来た可能性があるなという事である。そして、この時代に、朝鮮南部と九州は、結構な交流を持っていた可能性も感じる。

あと気になるのは、インド北部と九州/朝鮮半島南部に、イネヨトウの分布報告が集中しているのは、たまたま気候等の生育環境が適している可能性もあるが、インド北部の稲と日本への稲作伝来時の稲と共通性や交流の可能性はないかという点であった。

人間にとっての単なる害虫が、歴史を紐解くヒントを潜めている可能性も無きにしも非ず。身近な虫達や動物達が教えてくれる事って、まだまだ沢山ありそうな気がする。

ウスムラサキノメイガ 成虫 Agrotera nemoralis (Scopoli, 1763)

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾のひとつである。

ひとつ前の投稿で、クロウスムラサキノメイガという近似種の投稿もしているので、そちらと是非比較してお読み頂きたいと思う。

大きさは、前翅長で7ミリぐらいだったと思う。縁毛も擦り切れて前脚も片方欠損しているようで、自然界を生き抜いてきた日数を感じる。

種名は、あんまり紫の要素が入っているようには見えないのだが、ウスムラサキノメイガ。

ひとつ前の近似種のクロウスムラサキノメイガの投稿の中で、本種ウスムラサキノメイガとクロウスムラサキノメイガの違いを列挙したが、上の個体は、まさにウスムラサキノメイガの特徴を全て持っていると感じる。

✳️触角の付け根が白くない。

✳️前脚の脛節の付け根に毛束がない。

✳️後翅と前翅の色合いが違う。

というチェック点から、上の個体は、ウスムラサキノメイガであろうと思ったのだが、こうやって同所に、近似種が生息している事を確認する事になった。

近似種が仲良く同じペースで同所に到達する可能性もなくはないが、おそらく、どちらかが最初に来ていたんだと思われる。蛾に限らず、たまにみる光景であるが、やはり翅を持ち、ある程度の距離の飛行が出来るという能力が昆虫の進出には影響していると思われる。

このウスムラサキノメイガは、ヨーロッパからインドを経て、日本含む東アジアに拡がっている蛾である。